バイオ燃料を活用した史上初の宇宙飛行 NASAが計画

2019年6月11日 18:42

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バイオ燃料用のロケットエンジン (c) Aerojet Rocketdyne

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 二酸化炭素の排出量が増えないことから、注目を浴びているバイオ燃料。米航空宇宙局(NASA)は10日、バイオ燃料を使った初の宇宙飛行計画を立ち上げた。米宇宙ベンチャー企業のSpace Xが開発したロケット・ファルコンヘビーに搭載し、6月に実験予定である。

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■多くの利点をもつバイオ燃料

 今回の計画で使用されるバイオ燃料は、米カリフォルニア州のエドワーズ空軍基地に属する空軍研究所(AFRL)によって開発された。このバイオ燃料は、燃焼に必要な酸化剤と硝酸ヒドロキシルアミンとが混合されている。

 宇宙船の燃料として一般的なヒドラジンは、人体に有害な燃料であるため、扱う作業員は保護スーツなどを着用する必要があった。安全なバイオ燃料を宇宙船の推進剤に用いることで、取り扱いの制限が軽減できる。そのため宇宙船の発射準備期間を短縮できるだろうと、NASAは期待を寄せている。

 バイオ燃料の利点として、安全性だけでなく、性能の高さも挙げられる。バイオ燃料はヒドラジンよりも高濃度で、約50%増の性能を引き出すことが可能だ。自動車に換算して、1ガロン(約3.8リットル)当たり約80キロメートルの距離を余分に走行可能だという。バイオ燃料の活用により、宇宙船を長期間運用できるだけでなく、燃料の搭載量も減らせるという利点がある。

■超小型人工衛星への活用に期待

 バイオ燃料用のロケットエンジン開発は、NASAと米航空メーカー、エアロジェットにより共同で行われた。この技術を活用すれば、低予算で開発可能なキューブサット(CubeSat)等の超小型人工衛星にも使用可能だという。

 とくに「スペースデブリ」と呼ばれる宇宙空間上の人工衛星の残骸は近年問題化し、数十立方センチメートル程の超小型人工衛星は注目を浴びている。超小型人工衛星は重量に制限があるため、少量で高性能を発揮するバイオ燃料が役立つと期待される。

 NASAは今後、バイオ燃料の利点を実験で証明し、人工衛星の設計や運用方法の改良に役立てるという。2028年までには実用化を目指す方向だが、2024年に計画している月への有人宇宙飛行でも使用される可能性がある。(記事:角野未智・記事一覧を見る

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