投信も「産地直送」の時代?

2019年4月24日 16:45

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 投資信託が売れ行き大低迷という「危機」に晒されている。投資信託協会のまとめによると、1月の投信購入額(インデックス型上場投信/ETFを除く)は1兆1132億円。2009年以来の低水準に大きく落ち込んだ。

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 背景は何なのか。ベースとして指摘される要因に、日本人の国民性がある。株式・債券・投信といった「リスク商品」の対応に二の足を踏む「さが」である。昨年3月末時点で家計に占める個人金融資産の有価証券資産比率は米国53.9%/欧州31.3%に対し、日本の場合は16.2%に止まるというデータもある。だがこれだけでは「投信、約10年ぶりの(購入額)低水準」の説明には、説得力が欠ける。

 金融庁がこの間問題視してきた「商品性」によるという角度も、確かにある。投信の販売の窓口として機能している証券会社や銀行が「手数料」重視の姿勢を執ってきたことの反動、とする見方だ。「テーマ」を全面的に押し出し限定的な業種や銘柄に運用対象を絞った投信商品の手数料は、確かに割高に設定されている。要は「売り手」の儲けを最優先した商品への注力だ。

 だが売り手側から、こんな声も聞かれる。「テーマ性は言ってみればブーム性と表裏一体。一過性と背中合わせ。有価証券による資産形成にはむかない」。

 こうした状況下で、売り手のいわば身内である「運用会社」から反逆の狼煙?が上がり始めている。一口で言えば投信運用会社による「投信のネット通販」である。投信の購入に不可避の「手数料・信託報酬」を低く抑え、投信購入に目を向けさせようという戦略だ。

 同じ投信をネット証券で購入した場合「最大で手数料が4%安い」という事実もある。いわば「ネット証券に学ぶ」というわけだ。

 先行したのは三井住友銀行系の三井住友アセットマネジメント。同社は「リッパー・ファンド・アワード・フロム・リフィニティブ2019ジャパン」の投信部門で7ファンドが、最優秀ファンド賞を受賞している。言葉を選ばずに言えば「我々の運用力を殺してくれるな」と反逆の姿勢を露わにしているという次第だ。

 こうした流れに追従したのが、三菱UFJ国際投信。超低金利下で魅力低減という重石を背負い込んだ学資保険に照準を合わせ、内外の株・債券で運用する17ファンドを提案する(ネット通販の対象とする)策に打って出た。

 野村アセットマネジメントも進出を検討しているとされる。同社は「投信の保有率は、11年の17.0%から18年には13.1%に低下している。とりわけ20-40歳代の保有率の低さが目立つ」という調査結果を公にしている。それに基づいた商品で「産地直送」に踏み出してくる公算が高い。(記事:千葉明・記事一覧を見る

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