ヘリウムが固体でも超流動することを支持する新たな実験結果

2019年3月6日 22:17

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記事提供元:スラド

yamajun88曰く、 液体ヘリウムが2.17K以下の低温で超流動を示すことは古くから知られていたが、近年、低温・高圧下で存在する固体ヘリウムも、16mK以下の極低温で超流動するという複数の実験結果が示されている。今回、それを支持する新たな実験結果が報告された(Physical Review Letters掲載論文WIRED)。

 今回の実験では、従来まで実験が行われていたHe4ではなく、同位体のHe3の高純度サンプルを作成して低温・高圧下での粘性を測定した。すると、He4とは全く違う振る舞いを示した。固体のHe4は低温にするほど粘性が下がり「超流動」するが、固体のHe3はそれとは逆に、温度を下げるほど粘性が上がっていった。この対称的な結果は、固体He4が超流動しているという解釈を支持している。なぜなら、He4原子はボース粒子なので超流動が起こりうるが、He3原子はフェルミ粒子なので超流動は起こらないはずだからだ。

 しかし、この実験によってヘリウムの謎が解けたわけではない。固体のHe3の温度を下げていっても完全には固まりきらず、粘性が一定の値になってしまったからだ。これは、予想に反して固体のHe3が超流動を起こしているとも受け取れる。奇妙なヘリウムの謎は深まるばかりのようだ。

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