パルコも副業を解禁 企業と従業員にとって副業解禁のメリットとは

2019年3月6日 13:48

印刷

 政府が推し進める働き方改革。その目的とは多様な働き方を可能にすることで、格差の固定を回避することや成長促進、そして富の分配の好循環を生み出すことである。では、その実現に向けて、具体的な施策はというと、企業の副業解禁があげられる。

【こちらも】なぜ政府は副業を推進し、企業は副業を認めないのか

■副業解禁が与える従業員へのメリット

 これまで副業を解禁していた企業は少なかった。しかし政府の後押しもあり、徐々に副業解禁に向けた動きが活発化している。ではなぜ活発化しているか。それは従業員にとって以下のメリットがあるからだ。

 ・社外を経験することで競争意識が刺激される
 ・視野と人脈の拡大
 ・自己実現のための選択肢が増える
 ・新たな才能の開花と成長
 ・生活基盤の安定

 基本的に従業員に副業を解禁することは、企業にとっても、従業員にとっても本業が疎かになるというデメリットがあるとされていた。しかし、終身雇用制度が崩壊しつつある中、副業によるメリットは決して軽視できない。

■副業解禁が与える企業へのメリット

 副業解禁は、従業員にだけでなく企業にもわかりやすいメリットをもたらす。例えば副業解禁を就業規則に盛り込むと、人材採用の点で、他社よりも優位に立てる。また離職率の低下もその一つといえるだろう。

■小売業では珍しいパルコも社員の副業を解禁

 日本全国でファッションビルを展開するパルコは2月27日、社員の副業を2月から全面的に解禁したことを発表。対象は入社3年を経過した正社員と契約社員だ。

 パルコは池袋パルコ開業から今年で50周年を迎える。今後もさらなる企業の成長や発展を実現するためには、社員の成長が必要不可欠であるとし、副業解禁に踏み切ったという。

■まだまだ圧倒的に多い副業禁止企業

 現在もなお副業を禁止している企業は多い。主な懸念点は他社に雇用されることや長時間労働の助長、情報漏えいのリスクなどだ。これらの懸念点を解消し、政府の後押しと、実際に副業解禁した企業の成功例が増えると、さらに副業解禁の波は強くなっていくだろう。

関連キーワード

関連記事