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JR甲府駅前の顔として長年親しまれてきた、山梨県甲府市丸の内の山交百貨店が9月末で閉店する。郊外型ショッピングセンターやインターネット通販との競合、東京への買い物客流出などから売り上げの減少に歯止めがかからなかったためで、現在地に移って半世紀余りの歴史に幕を下ろす。
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山交百貨店は「甲府松菱」の名前で1954年、甲府市中央で創業し、1965年に「山交」の商号で現在地に移転した。現在の建物は1989年にオープンしたもので、甲府駅南口の駅前ロータリーに面した地下4階地上5階建て、売り場面積約1万6,000平方メートル。衣料品、雑貨など67のテナントが入居し、パートを含めて111人の従業員が働いている。
高度経済成長期以降、駅前の顔として市民に親しまれてきたが、郊外型ショッピングセンターの進出やストロー現象による東京への買い物客流出などから、甲府駅前が空洞化して売り上げが低迷していた。最近はインターネット通販の攻勢や若者の百貨店離れの影響も深刻さを増している。
2007年に事業再編で経営の立て直しを図り、現在の名称に改めたが、ピーク時に100店を超えていたテナントが67店まで減ったほか、2017年に核テナントとなっていた無印良品が撤退し、新たなテナント獲得もままならない状況が続いていた。
山交百貨店は売上高など財務内容を公表していないが、民間信用調査機関東京商工リサーチ甲府支店によると、1997年2月期に120億円を超えていた売り上げが2018年3月期に28億円余りまで落ち込み、債務超過に転じていた。
会社は存続し、百貨店事業以外の保険販売、不動産事業を継続する。従業員とは個別に面談し、関連会社への配置転換や再就職支援をする意向。閉店後の土地と建物については、今後の方針が決まっていない。
山梨県の長崎幸太郎知事は「誠に残念。地元甲府市や甲府商工会議所と緊密に連携し、建物の有効活用など中心市街地の活性化につながるよう協力したい」とのコメントを発表した。(記事:高田泰・記事一覧を見る)
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