東北大ら、3度の桜島噴火で共通の前駆過程を発見 直前にマグマは浅部に充填

2019年2月15日 20:42

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桜島山頂の火口から桜島直下のマグマ溜まり(写真:東北大学の発表資料より)

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 東北大学は14日、東京大学、京都大学、産業技術総合研究所(産総研)との共同研究で、桜島火山の有史に発生した3度の大規模噴火(1471年、1779年、1914年)の前駆過程を突き止めたと発表した。

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 日本は火山大国だ。火山は時として大きな災害を引き起こす。噴石、火砕流、溶岩流、火山ガスなどは、火山噴火に伴って発生。避難までの時間的猶予がほとんどなく、生命の危険性も脅かされるため、防災対策では噴火警報と避難計画が重要だ。

 気象庁によれば、18世紀以降で10人以上の死者・行方不明者が出た火山活動は、21件。犠牲者数では、1792年の雲仙岳噴火の15,000名がトップで、次いで1741年の渡島大島噴火の1,467名と続く。他方、大災害の回数では、桜島の3回(1779年の犠牲者150名、1781年の15名、1914年の59名)が最多だ。

 自然災害の前駆過程の発見は災害発生予測の高度化に繋がり、避難時間確保に特に重要だ。

 今回の発表は、大災害頻度の多い桜島噴火での前駆過程を発見したもの。1779年、1914年に1471年を加えての研究だ。研究の成果は、13日のScientific Reports誌に掲載されている。

●桜島の大規模噴火に共通の前駆過程

 3回の大規模噴火の噴出物の包有物を分析し、軽石として噴出したマグマが噴火の直前に蓄積していた深さを調査。従来は約10 キロメートルの深部にあるマグマ溜りから噴出したと考えられていたが、噴火の直前には、火山体直下の数キロメートルという極めて浅い領域に蓄積されていたことを突き止めた。

 大規模噴火前に、マグマが通常のマグマ溜まりよりも浅部に充填された理由や、その必然性は未だ不明だ。他の火山噴火でも同様の前駆過程があったかどうかを調べるとともに、そのメカニズムを解明するという。

 将来の桜島火山や他の火山における噴火災害軽減に貢献できる研究内容である。(記事:小池豊・記事一覧を見る

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