天の川銀河中心に特異な分子雲 中間質量ブラックホールを証明か 国立天文台

2019年2月13日 18:16

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分子雲を振り回す中間質量ブラックホールの想像図 (c)国立天文台

分子雲を振り回す中間質量ブラックホールの想像図 (c)国立天文台[写真拡大]

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 国立天文台は12日、太陽の3万倍もの質量をもつ中間質量ブラックホールの存在が判明したと発表した。天の川銀河中心付近の「分子雲」と呼ばれる水素ガス分子からなる雲の詳細な構造を捉えた結果、これまで十分に裏づけされなかった中規模のブラックホールの存在が証明されたかたちだ。

【こちらも】ブラックホール誕生の瞬間を初めて検出か? 謎の爆発現象「AT2018cow」 アルマ望遠鏡

■裏付けの少ない中間質量ブラックホールの存在

 現在、存在が確認されているブラックホールは、太陽の数倍から十数倍の質量をもつ恒星質量ブラックホールと、太陽の100万倍から100億倍もの質量をもつ超大質量ブラックホールに大別される。超大質量ブラックホールは、天の川銀河を含めた多くの銀河の中心に核として存在するものの、その起源はまだ解明されていない。

 一方、恒星質量ブラックホールよりも重い、太陽の100倍から10万倍程度の質量をもつ中間質量ブラックホールの存在は、いくつかの報告例があるものの、まだ確たる裏づけがなく、大きな論争を巻き起こしているという。

 ブラックホール同士の合体により巨大化することは、近年の重力波の検出で明らかになっている。超大質量ブラックホールは、中間質量ブラックホールが合体、成長することで形成されると考えられるため、中間質量ブラックホールの存在する証拠が集められることが期待されていた。

■単一でなかった分子雲の構造

 研究グループは2016年に、米ハワイ島のジェームス・クラーク・マクスウェル望遠鏡を使って、天の川銀河の中心核「いて座A*(エー・スター)」から約20光年離れた位置に、銀河の回転に逆行する特異な分子雲を発見した。

 研究グループは今回、この特異な分子雲の正体を突き止めるため、高解像度での観測が可能なアルマ望遠鏡を用いた。その結果、一つだと思われた分子雲の構造が、気球の形をした構造や南北に伸びる細長い構造等の複数の構造からなることが判明した。

 バルーン構造やストリーム構造をした分子雲は、見えない重力源により軌道回転運動をしていると考えられる。そこで研究グループは、軌道運動をつくる重力源の質量を算出。その結果、2つの構造は太陽の約3万倍もの質量の天体によって楕円軌道上を運動することが判明した。これは中間質量ブラックホールの存在を示唆する。

 研究グループは、今回の発見が超大質量ブラックホールの起源解明や銀河の進化の理解につながるだけでなく、分子雲によるブラックホールの探査という新しい道筋をつける可能性があると期待している。

 研究の詳細は、米天文物理学誌Astrophysical Journal Lettersにて1月20日に掲載されている。(記事:角野未智・記事一覧を見る

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