ゴーン被告がルノーの会長兼CEOを退任へ 舞台は第2幕目へ向かう

2019年1月24日 13:24

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 23日に、日産の元会長として絶対的な権勢を誇ったカルロス・ゴーン被告が、ルノーの会長兼CEOの退任を決断したことが伝えられている。

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 ゴーン被告の保釈申請を東京地裁が却下した15日付の仏紙には、ゴーン被告を解任するとの観測報道がされた。日本とフランスの時差を考えると、東京地裁の決定を確認してから、フランス勢(ルノー・フランス政府)が情勢分析を進め、決断するまでの十分な時間的余裕がある。この時点で既にゴーン被告を退場させることを決めたと思われるが、後腐れのないように、解任ではなく自発的な退任を画策していたようだ。

 ゴーン被告は権勢を振るった今までの立場と、拘置されている現在の違いを十分認識できないでいた。認識のギャップは、保釈された場合には“フランスに居住する”との意思を表明していたことでも明らかだ。

 15日以降、フランス勢によるゴーン被告の説得工作は難航したが、徐々にゴーン被告の現状認識が現実と整合するようになり、2度目の保釈申請後には、「保釈のための条件をすべて受け入れる」という声明を発表した。取り外しの利かないGPS発信機の身体装着も受け入れるという屈辱的な内容は、ゴーン被告がフランス勢の攻勢に抗しきれなくなった時期に見せた最後の足掻きだったろう。

 なりふり構わぬ声明も空しく、22日には東京地裁が保釈申請を再度却下して、ゴーン被告の一縷の望みは潰えた。おそらく飴と鞭、硬軟取り混ぜて行われたゴーン被告の説得工作は、1週間の長期に渡ったということになる。

 この説得工作でゴーン被告に提示された見返りの条件が公表されることはないだろうが、一部に伝えられているルノー関係者に関わる醜聞は沙汰止みになるかも知れない。

 ゴーン被告の復帰の芽が消滅したことで、舞台は第2幕目を待つことになった。既に予告編のようにフランス勢の強気の姿勢が喧伝されているが、ゴーン被告に自発的な退任を決意させた手管を考えると、一気に強硬策に訴えることはないだろう。日産の大株主として、ルノーは定時株主総会をゴールに設定するか、再度臨時株主総会の開催を要求するか、より効果的でリスクのないプランを練り上げて、あと5カ月程の間に決着を付けようとする筈だ。日産と三菱がどんな対応により反撃するのか、一気にクライマックスに向かうのか、予想を超えたどんでん返しで第3幕へ突入するのか、フランス勢の主演による第2幕がどんな展開を見せるのか、見通せる人はどこにもいない。(記事:矢牧滋夫・記事一覧を見る

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