関連記事
イプシロンロケット、19年1月17日に打ち上げへ 革新的な実証実験行う初の試み
写真はイプシロンロケット3号機の打ち上げの様子。(c) JAXA[写真拡大]
宇宙航空研究開発機構(JAXA)は30日、イプシロンロケット4号機の打ち上げを2019年1月17日に実施すると発表した。イプシロンロケット4号機は、革新的衛星技術実証のための第1号機として打ち上げられる。
【こちらも】イプシロンロケット3号機、打ち上げに成功
■低コスト化を実現したイプシロンロケット
既存のロケット技術を継承することで、短期間かつ低コストで開発可能になったのが、イプシロンロケットだ。三菱重工業とともに開発したH-IIAロケットから機器や部品を共有し、宇宙科学研究所(ISAS)が日産自動車を母体とするIHIエアロスペースとともに開発したM-Vロケットを一部改良したものだ。
M-Vロケットの後継機であるイプシロンロケットは、2010年から本格的に開発を開始、2013年に試験機が打ち上げられた。これまで3機のイプシロンロケットが開発され、宇宙へと飛び立った。
■公募されたには実証テーマには人工流れ星も
革新的衛星技術実証プログラムは、宇宙基本計画の一環として、民間企業や大学等が開発した機器や部品、超小型衛星を活用した実証実験の機会を提供するものだ。2年に1回、計4回の打ち上げ実証を計画し、そのテーマを通年で公募するという。
初めてとなる今回の革新的衛星技術実証では、イプシロンロケット4号機に小型実証衛星1号機(RAPIS-1)および、6機の超小型衛星とキューブサットを搭載する。公募により選定された実証テーマをもとに、軌道上で実験を行なう衛星が、RAPIS-1だ。ベンチャー企業が製造した最初のJAXA衛星であり、アクセルスペースが製造を担当した。JAXAが開発した軽量太陽電池の実証実験をはじめ、7つのテーマをもとに部品や機器がRAPIS-1に搭載される。
6機ある超小型衛星のなかには、ベンチャー企業のALEが開発した人工流れ星実証衛星「ALE-1」が含まれる。宇宙空間の塵が大気圏に突入する際、加熱されることで発光する流れ星を、人工衛星から放出する粒を使って再現するのが、「ALE-1」のミッションだ。世界初となる人工衛星を用いた人工流れ星の実証実験だという。
イプシロンロケット4号機は、鹿児島県の内之浦宇宙空間観測所から発射される予定だ。(記事:角野未智・記事一覧を見る)
スポンサードリンク
関連キーワード
スポンサードリンク
- NASAのボランティア主導プロジェクト、15個の活動的小惑星を特定 3/19 09:22
- 宇宙が138億歳であることを再確認 ジェイムズ・ウェッブ望遠鏡で ESA 3/16 17:48
- 誕生間もない銀河、中心ブラックホールの成長速度は極端に小さかった 東大の研究 3/13 18:08
- 赤色巨星期を生き抜いた系外惑星を確認 知的文明も存続か? 米宇宙望遠鏡科学研究所 3/11 08:54
- 銀河中心に吸い寄せられるガス雲の大部分、実は銀河系外起源だった 名大の研究 3/ 9 07:21