銀河同士の接触で加速するブラックホール 米研究グループが明らかに

2018年11月16日 21:55

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接近した2つの銀河。ブラックホールが急成長している。 (c) Hubble, NASA, ESA, and M. Koss (Eureka Scientific, Inc.

接近した2つの銀河。ブラックホールが急成長している。 (c) Hubble, NASA, ESA, and M. Koss (Eureka Scientific, Inc.[写真拡大]

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 銀河同士が接触すると、何が発生するのだろうか。ハッブル宇宙望遠鏡は、重力により銀河同士が接触する様子を撮像した。それによると、銀河が合体によってブラックホールが急速に成長するというのだ。

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■X線で銀河核のブラックホールを発見

 研究を主導したのは、エウレカサイエンティフィックのマイケル・コス氏らの研究グループだ。米航空宇宙局(NASA)の運営するハッブル宇宙望遠鏡、ハワイに位置するケック天文台を利用して、近傍銀河を撮影した。

 「2つの銀河の中心にある銀河核が、巨大なブラックホールに飲み込まれる様子を確認できる」とコス氏は述べる。

 ハッブル宇宙望遠鏡が示す撮像は、銀河同士が頻繁に合体していた初期の宇宙において多数発生する現象だ。銀河が崩壊し、巨大なブラックホールが重力波という形で強力なエネルギーを放出する。

 相互作用する2つの銀河は濃い塵やガスで包まれているため、近接した銀河核を発見するのは容易ではない。それを解明するのが、赤外線による観測だ。ブラックホールに落ち込むガスがX線を放出し、ブラックホールの成長具合を教えるというのだ。ガンマ線バースト観測衛星スウィフトの10年分の記録を活用したという。

 だが、本当に塵に包まれた部分で銀河が合体したのか検証が必要だ。そこで研究グループはコンピュータシミュレーションを利用した。ハッブル宇宙望遠鏡やケック天文台のデータを活用、詳しく精査した結果、銀河が合体することが明らかになった。

■コンピュータシミュレーションで天の川銀河の将来を予測

 研究グループはまた、天の川銀河とアンドロメダ銀河とが数十億年先に合体する様子を予測した。コンピュータシミュレーションによると、各銀河の中心部のブラックホールが一緒に崩壊するという。2つの銀河が最終的に合体するまで、重力によって「ダンス」をする。それが10億年以上も続くという。

 「コンピュータシミュレーションにより、合体の最終段階でブラックホールが急速に成長するのがわかる。ブラックホールの合体が進むにつれ成長が加速するのは、ブラックホールの超巨大化を理解するのに重要だ」とフロリダ大学のローラ・ブレチャ氏は述べる。

■将来の望遠鏡により銀河の崩壊メカニズムの解明が深まる

 NASAによって将来運用されるジェームズ・ウェッブ宇宙望遠鏡により、ブラックホールの質量や成長のスピード等が計測され、銀河の崩壊への理解が深まるとしている。

 研究の詳細は、英科学誌Natureの11月7日号に掲載されている。(記事:角野未智・記事一覧を見る

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