スバルは迷走にピリオドを打って、再度スロットルを全開にできるのか?(3-3・曙光)

2018年11月16日 18:21

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 通常トラブルが発生して代表者が退任に追い込まれる場合には、負の遺産を全てさらけ出してから責任を取って交代するものだが、吉永前社長はそんな気配りをする余裕もなかった。3月に発表された人事では、吉永前社長は6月の株主総会を見届けてから代表取締役会長兼CEOに就任することになっていたが、6月5日の会見ではCEOを退任して代表権も返上し、会長として企業風土の改善に全力を傾注することを発表した。中村知美社長にとってはマイナスからのスタートになったが、今後は存在感のある個性的なSUBARUを復活させることを期待したい。

【前回は】スバルは迷走にピリオドを打って、再度スロットルを全開にできるのか?(3-2・迷走)

 14日にSUBARUは完成車検査に関わる一連の問題で、石井啓一国交相から再発防止の勧告書を受け取った。中村社長は「完成車検査に対する経営陣の関心が薄かった」と反省を口にした。18年の上半期(4~9月)は前年同期比で20%の減少となったようだが、6年間でほとんど倍増した販売実績を考えると、足元を見つめなおす機会になったのではないだろうか。ネガティブなニュースが続いて気落ちしているユーザーはもちろんだが、最前線で販売活動をしている販売店へのフォローも忘れずにして欲しい。何よりも、風通しの良い職場環境の醸成に努めて、再発防止を徹底することを期待したい。

 SUBARUは水平対向エンジンでスバリストを生み育て、アイサイトの安心感で認知度を高めた。最新の独自技術で注目は「顔認識」だ。新型フォレスターの一部グレードには「ドライバーモニタリングシステム」が搭載された。このシステムは、ダッシュボードの中央にセットした赤外線カメラが、ドライバーの眠気やわき見運転を警告すると共に、当初ドライバー毎に設定したシートの位置やドアミラーの角度などを、設定したポジションに自動的にアジャストしてくれるという。家族で共用している場合など、ドライバーが変わる毎に繰り返さざるを得ない細かな設定が、煩わしいと感じている人には打って付けだろう。いずれは鍵を持たなくとも、スマホ同様に顔認証でドアの開閉やエンジンスタートが可能になるかと期待させる先進の技術だ。

 10月にアメリカのブランディング会社であるインターブランドが発表した、世界のブランド評価企業トップ100にSUBARUが滑り込んだ。上位10社にはアップル、グーグル、アマゾン、マイクロソフト、コカ・コーラ、サムスン、トヨタ、メルセデスベンツ、フェイスブック、マクドナルドという名だたる企業が顔を並べる。日本企業では7位のトヨタのほかに、ホンダ、日産、キヤノン、ソニー、パナソニック、任天堂とSUBARUである。ランキングは100位という最下位であるが、日本の8社の一角を占めた。間の悪い時期の発表であったため浮かれる言葉は聞かれないが、ブランドが評価されていることを秘かに誇りにして、生産体制が一日も早く正常化することを願うものである。(記事:矢牧滋夫・記事一覧を見る

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