ゼンムテックと産総研、無意味化したまま演算する情処理報技術を開発へ

2018年10月16日 17:50

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 ZenmuTech(ゼンムテック)と産業技術総合研究所(産総研)とは協働して、データを無意味化したままで演算処理できる秘匿計算技術の開発を始める発表した。これまでの暗号化や秘密分散技術では、情報処理を行う場合、暗号化したデータを元データに復号して演算していたが、今回の開発では、データを復号することなく演算処理を可能とする技術の実用化をめざす。

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 今回開発する秘匿計算技術では、例えば医療分野においては、個人情報を秘匿化したままで診断ができるようになる。また、異なる企業が管理する購買履歴や行動履歴を用いたマーケット分析が可能となり、複数の異なる所有者が保有する膨大なデータをプライバシーやセキュリティを配慮して安心・安全に相互利活用できるようにすることへも寄与する。

 ゼンムテックでは、「情報は盗まれるもの、人間は過ちを犯すもの」を前提として、「情報は必要な時だけ情報として利用し、不要な時は無意味化しておく」という新たな発想のセキュリティを提言。秘密分散技術を用いたソリューションを開発提供している。一方、産総研では、情報セキュリティ技術として秘匿計算技術の研究を推進している。秘匿計算技術とは、収集する個人情報を秘匿状態のままデータ解析を可能とする高機能暗号技術で、個人情報を収集するサービス提供者にも、個人情報が漏れないよう保証することができる。

 今後、産総研がこれまで開発蓄積してきた秘匿化技術と、ゼンムテックの情報無意味化技術の開発・実用化実績を融合し、産総研の秘匿計算技術を理論検証フェーズから実用化まで進め、汎用的に利用可能な秘匿計算技術ソリューションとして社会に提供することを目指すという。

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