消費財大手ライオンがネット通販限定で売る商品

2018年10月16日 11:03

印刷

「グッスミン 酵母のちから」(画像: ライオンの発表資料より)

「グッスミン 酵母のちから」(画像: ライオンの発表資料より)[写真拡大]

 一般消費財の大手企業(例えば歯ブラシ首位、トイレタリー製品3位等々)として知られるライオンには文字通り「ヘルスケア」と呼ぶにふさわしい商品が、「ネット通販限定品」として隠されている。例えば以下の様な品々である。

【こちらも】ワーキングウエアの自重堂がECに注力する訳

●機能性表示食品: 代表的なものとして、大ヒットとなった「ナイススリムエッセンス ラクトフェリン」がある。諸々の病に繋がりかねない中高年層の肥満症に対応する形で開発された。ラクトフェリンは多機能タンパク質。脂肪分の分解・合成抑制効果をもたらす。同社の広報担当者は「愛用頂くことで腹部肥満値BHI値(体重÷身長÷身長)の低下が実感できる」と自信をみせた。そしていま注力しているのが「快適な眠りをサポートする、グッスミン 酵母のちから」とした。

●特定保健用食品: トマト酢生活。

●健康食品: 青汁+緑花のチカラ、シールド乳酸菌+赤のチカラ等々。

●ヘアケア商品: フルリア(女性に照準を合わせた発毛促進・脱毛予防商品)。薬用育毛エッセンス。フルリアも「注力商品」だとした。

 質した。グッスミンの類いや薬用育毛剤はコマーシャルに力を入れ店頭販売しているメーカーもあるではないかと。広報担当者の答えはこうだった。「自社のマーケティング部門や外部の有力リサーチ機関と共同で、徹底的にリサーチした。結果から言えば潜在的な需要がいかに大きいか、だった。特に定年前後の年齢に達し一息抜けた年代層に、不眠症が多い。といって医者(精神科)にまで行って睡眠導入剤を処方してもらうまでは踏み切れないという方々が少なくない。同様のことが毛髪に悩む中高年の女性層に多いことが確認できた。ともにストレスの原因になる。中高年層のストレスは、メタボリックシンドロームと同様に病の入り口になりかねない。健康で高齢層を迎えられてはじめて幸せな老後への道と考え、ネット通販というスタイルで潜在需要層を掘り起こし・深耕していく考え」。

 同社の第3四半期の決算短信を読んでみた。どこにも「ネット通販」の5文字は見当たらなかった。が、「グッスミン 酵母のちからが好調」という記述には出会えた。

 2018年は同社にとり設立128年目。ネット通販の歴史は12年目。新たな販売手法の導入で「ヘルスケア関連企業」という道程を着実に歩み始めている。(記事:千葉明・記事一覧を見る

関連キーワード

関連記事