目前に迫ったAI社会(2) e-Paletteは人手不足を解消するチャンス!?

2018年10月16日 08:12

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トヨタの「e-Palette Concept」。(画像: トヨタ自動車)

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■e-Paletteは人手不足を解消するチャンス!?
 AI自動運転によるトヨタのe-Palette構想は、うまくコントロールできれば、日本社会では現在の人手不足を補い、生産性を上げ、GDPを上げていけるツールとなるかもしれない。しかしまだ、政府・国民自身がAIの普及を甘く見ているように感じる。また、トヨタとソフトバンクの提携発表の記者会見を見る限りにおいては、主導権を握ったソフトバンクの孫正義氏の視野は、「投資効率」にとどまっているように見られる。社会を変えるほどの影響力が投資家にあること自体、社会問題なのであろう。民主主義の根本が現在の金融制度にないのが、社会の致命傷にならなければよいがと危惧する。

【前回は】目前に迫ったAI社会(1) ライドシェアが広がらない 鉄道AI自動運転が始まらない

 しかしながら、モビリティ・アズ・ア・サービス(MaaS)を諦め、プラットフォームを提供する企業に徹したトヨタは、サービスを運営するネット企業の下請けとなる危険をはらんでいる。それでも、トヨタのe-Paletteが種々のサービス業を起こし、新産業と雇用を生み出すことは間違いあるまい。それが日本社会において、人手不足の解消となって効果を生み出し、AI普及が社会に軟着陸できることを願っている。

■ベーシックインカムの必要性
 AIが普及すると、人件費が激減する企業は利益率が大幅に上がることとなる。AI自動運転車になったときのバスの運賃を考えてみると、大幅な値引きが出来るはずだ。銀行業務では窓口業務、事務作業などコスト削減が進んでいるのなら、手数料・貸出金利などを下げ、預金金利を上げることが出来るはずだ。しかし、同時に株主に対する配当金が増え、ますます社会全体では「格差拡大」が必須となろう。

 この情勢の中で社会パニックを防ぎ、AIによる自動化を阻害しないためには、「ベーシックインカム」を採用していくことが必要となっていくだろう。その財源として何らかの「法人税」が必要なのだが、逆に、世界規模で法人税の値下げ競争が始まるかもしれない。「租税回避地」が増える恐れがあるからだ。あるいは、人件費の必要がなくなった分だけ企業側が商品の「大幅な値下げ」を行い、労働者側は仕事のシェアリングを行い、最小限の働き・給与で暮らしていける社会システムを構築していくことが必要だ。

■労働せず暮らしていける社会の実現
 ベーシックインカムが実現すると、労働時間が大幅に少なくなり、「人間らしい」豊かな暮らしとなる可能性もある。問題は、「投資家」が配当率を現在よりも下げることに同意しなければならないことだ。AIにより大幅なコストダウンに成功し、それを投資家に還元するのではなく、労働者全体に還元し、豊かな社会を実現できるのか?正念場に差し掛かろうとしている。

 このことは、「欲望を基にした資本主義」では実現できない。つまり、投資家がさらに利益を搾取してしまっては、人類が生きていける余地がなくなるわけだが、世界の人々、特に投資家が理解できるとは思えない。

 しかし、この社会革命に成功しないと、国が成り立たなくなる恐れがある。「自動運転がもたらす変化」は、単にトヨタがe-Paletteを作るベーシック・プラットフォーマーになるだけで済む問題ではなくなる。「働かなくてもよくなる」社会の可能性があり、「働けない社会」となってはならない。AI自動運転のもたらす変化の時代の実像だ。(記事:kenzoogata・記事一覧を見る

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