誰でも作成可能なすばる望遠鏡の模型を3Dプリンタで 国立天文台

2018年8月17日 21:28

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3Dプリンタで製作した「すばる望遠鏡」の立体模型 (c)NAOJ

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 子どものころ、模型製作を一度は経験したことがあるだろう。国立天文台は17日、3Dプリンタを利用した「すばる望遠鏡」の模型を公開した。

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 国立天文台が運用するすばる望遠鏡はハワイ島のマウナケア山頂に位置し、富士山よりも高い標高4,205メートルにあるという。1999年以降観測を開始したすばる望遠鏡は、直径8.2メートルの1枚鏡を搭載した世界最大級の望遠鏡である。この主鏡が大きいほど小さく暗い天体を観測でき、これまでにも、最も遠い銀河の発見や、太陽以外の星の周りを公転する惑星の撮影に成功している。

 3Dプリンタで製作した模型のサイズは、幅が約27センチメートル、奥行きが約17センチメートル、高さが約25センチメートルとコンパクトなのが特徴。実際のすばる望遠鏡の約110分の1の縮尺になっている。

 すばる望遠鏡は今回、精密バージョンとシンプルバージョンの2種類を公開している。触れるだけで理解できる模型を目指すため、視覚特別支援学校の先生から助言を受けているという。2種類の模型のサイズは同じだ。

 ABS樹脂を使って造形された模型は、すべてのパーツが無理なく造形できる仕組みになっている。他の部分とは異なる質感を出すために、主鏡は塩化ビニルを使った透明半球をかぶせている。

 実際のすばる望遠鏡と同様に、模型の望遠鏡も水平方向と垂直方向に動かせる。500トン以上もあるすばる望遠鏡では、摩擦を最小限に抑えるために、油パッドでレール上を浮かせる。最新のリニアモーターにより駆動するので、シャープな天体画像を撮影できる。模型の望遠鏡もまた、油パッドで浮く設計になっている。

 国立天文台は、3Dプリンタで模型を製作するための造形ファイルを、説明書とともに公開している。これにより、今回公開された模型の望遠鏡を誰でも製作可能だ。

 今回公開したすばる望遠鏡の模型以外にも、国立天文台が運用する望遠鏡や天体の立体模型を開発中という。(記事:角野未智・記事一覧を見る

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