【スバル&マツダの事業計画(3)】マツダ「ミニバンからの撤退」の意味するもの

2018年7月23日 21:59

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「マツダCX-8」(画像: マツダ)

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■マツダ「ミニバンからの撤退」の狙い

 マツダは、ミニバン市場を断念した。国内のミニバン市場は拡大を続けている。対して、3列シートSUV CX-8の市場は見通すことさえできない。日産・セレナのヒットは現実であり、100万台とも考えられるミニバン市場を切り捨てる判断は、どの様なものなのだろうか。対して、3列シートCX-8の月間販売台数は1200台だ。3列シートミニバン市場を3列シートSUVがとって代われるのであろうか?今の販売戦略としてはありえない判断だ。このマツダの大胆さについて、経営陣に詳しく聞いてみたいものだ。

【前回は】【スバル&マツダの事業計画(2)】 スバルは「現在優良企業」、マツダは「這い上がってきた戦略家」

 この前提に、「グローバルスイング生産」を完成させることがある。全車、組み立てラインでは同じ車として生産することを考えてきたマツダにとって、ミニバンは別車種となり、スライドドアなどは専用ラインを必要とする。コストアップの要因だ。世界市場ではミニバンではなくSUVの需要が高いため、「グローバルスイング生産」を完成させるには、ミニバン撤退の判断が必要だったのだろう。

 この生産方式の狙いは徹底した“資金量の削減”にあるが、これが企業経営に影響するストーリーをマツダは描き切っているのであろうか?楽しみでもあり、不安要素でもある。戦略性の高さを応援したいが、「このような長期戦略を現代投資家は認める力があるのであろうか?」

■スバルの中期事業計画は「販売計画」

 マツダの、言わば「世界生産戦略」に対して、スバルは北米を中心として「販売戦略」を立ててきている。生産戦略に対しては、ほとんど計画と言えるほどの記述はなく、北米での販売展開で頭がいっぱいのように感じる。これはもしかしたら、生産戦略が経営陣の脳裏にないだけで、生産責任者には戦略があるのかもしれない。どちらにしてもスバル中期事業計画に書かれた生産部門の記述には、マツダに匹敵するほどの戦略はなかった。これは、現経営陣に長期経営ビジョンが足りないためであろう。

 スバルは「主力車種のフルモデルチェンジを毎年実施」と宣言し、さらに新車種の投入を考えているようだ。これはスバル・グローバル・プラットフォーム(SGP)を全車種に採用して、「生産システム」の効率化を目指していることの表れであろう。マツダの後追いともいえる内容ではあるが、スバルも着実に生産システムの更新を進めているようだ。中期事業計画を見ると、このあたりが当たり前の表現になっているのは、経営陣の認識では「生産システム」より「販売戦略」が優先であることを示しているのだろう。また、「生産システムが資金効率の要」であるとの認識がないのであろうか。つまり、企業体質としては、スバルはアメリカの風土にマッチした「ファンド」的な経営体質と言えるだろう。

 次は、短期的勝利と長期的勝利についての見通しを見よう(kenzoogata)

続きは:【スバル&マツダの事業計画(4)】マツダ、スバルどちらに軍配が上がるか?

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