日産よ、年収200万円社員1人の重要性は、年俸19億円カルロス・ゴーン会長と変わらない!

2018年7月11日 17:25

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 日産自動車は9日、新たな不正問題が発覚したことを受け、記者会見を行った。

【こちらも】【スバル記者会見(1)】深刻な闇 「社内調査チームが弁護士中心であった」ことが間違い

 出席者は、 物づくり全般を統括する山内康裕チーフ・コンペティティブ・オフィサー(CCO)、日本生産事業を担当する本田聖二常務執行役員、品質保証を担当する中井良和常務執行役員の3名。

■検査台数の53.5%が検査不正で不良なし!?

 今回発覚した日産の不正はスバルを上回る不正の割合だが、コトの本質を感じさせる。

 合計2,187台のログデータの内、保安基準の細目で指定された条件を逸脱して測定したデータを有効なデータとしたものが合計で690台、排出ガス、燃費、測定設備の操作画面上で、測定値、湿度・温度の一部書き換え913台となっている。重複があるため、1,171台が不正のあった車両となる。細目はどうでも53.5%不正であったとは、品質の考え方が狂っているとしか言えない。

 日産は記者会見で、『信頼性の認められる6データの再検証の結果、すべての抜き取り検査対象車種が、燃費の諸元値を担保できていることを確認した。従いまして、カタログ等で公表している燃費の数値に誤りはございません』と述べている。つまり、書き換えや条件を逸脱していたデータを除き検証したところ、「実際の不良はない」としたのだが、半分以上のデータを除いてしまったらそれが有効なデータと言えるのか?これは、スバルも同様に言い切っていたが、法的立場のためであろう。

 「抜き取り検査」について、排気ガス・燃費、完成検査のロットの取り方が必ずしも統計学的に有効であるとは言えない可能性があるので、スバルと日産の両社はそう言い切る根拠を示してもらいたいものだ。しかも、有効とするデータの捉え方にも疑問がある。モード燃費で平均値を有効とするのは分かるが、最高・最低のデータの取り扱いに疑問を感じる。これは国土交通省の見解を待とう。

■コトの本質は「マネーゲーム」の経営方針?

 日産は事実上の倒産から、ルノーに出資を仰ぎ再建をしてきた。最近では三菱自動車も取り込み、世界一の生産台数を記録した。しかし、立役者のカルロス・ゴーン会長は、「コストカッター」と呼ばれてM&Aで拡大する方針で進めてきた。そのため急速な業績回復を見せたが、それと同時に、その「マネーゲーム」に傾倒した経営方針と、「車造り」についての解離を感じざるを得ない。それは昔から「人間の性」で「イージーに流れる」体質はあるが、その人間の性をいかにコントロールするのかが、「日本の品質管理」だ。日産はトヨタの後を追っていたことは確かだ。その後、CEOがカルロス・ゴーン氏に代わって、ニッサンの品質保証の見方が変わったのではないのか?

 今回の記者会見でも、「西川廣人社長もカルロス・ゴーン会長も」姿を見せていない。まるで「物造りは経営とは別」と言っているようだ。記者会見の中で、『今回、品質保証を経営上の最重要課題と捉え・・・』とチーフ・コンペティティブ・オフィサー 山内氏は述べていたが、これは失言であろう。品質保証は自動車メーカーとしては、「もともと最重要経営課題」だ。これでカルロス・ゴーン会長の経営姿勢は明確になってしまった。

 今後の動きに注目だが、世界的にマネーゲームの様相を見せている経営姿勢は、「投資家」最優先、株の配当、自社株買いなどを行ってでも、「株価優先」の姿勢が基にある。自動車メーカーが次々と不祥事を起こすのも、「投資効率最優先の考え方が災いしている」と言い切ってもよいのではないだろうか?今後、さらにこの問題の本質を見つめていこう。なぜなら、EV、自動運転などで先行するテスラの動きも含めて、国民の安全そのものを脅かしかねない問題だからだ。

■年収200万円社員も、年俸19億円カルロス・ゴーン会長も、品質保証での重要性は変わらない

 ゴーン会長は年俸約19億円、西川社長は5億円、トヨタの豊田章男社長は3億8000万円だ。グローバル企業と言えども、日本人は【清貧を美徳】とする。もちろんトヨタでも、ディディエ・ルロワ副社長は10億2600万円だ。日本社会の常識では、これほど「経営者」と現場で働く「従業員」とが果たす役割に、重要度の差があるとは考えていない。

 社員1人1人の重要性は、「品質保証」を見れば分かる。たとえ年間給与200万円の1作業員でもその仕事を全うできなければ、メーカーは商売として成り立たないのだ。これが分からなければ「日本的品質保証」は出来ないことを、現代の経営者は知ることだ。自動車の販売現場を見ると、豊田章男社長にも「油断は禁物」と告げておきたい。トヨタが誇る「電気式CVT」を説明できる人が、「販売現場のディーラー、お客様相談室」にはいないのだ。組織のガバナンスが、ディーラーの販売現場には届いていないことを示しているのではないのか?(記事:kenzoogata・記事一覧を見る

関連キーワード日産自動車カルロス・ゴーン国土交通省

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