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消費低迷の原因、消費税増税と賃金上昇への不信感 内閣府が調査

2018年7月4日 10:30

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記事提供元:エコノミックニュース

消費低迷の要因として所得増も恒久的なものと認識されていない、消費増税が高齢者を中心に負担増となった、などの見方が紹介された。

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 6月21日、内閣府の府経済社会総合研究所が「消費の現状と展望~なぜ消費は伸び悩むのか~」というテーマで第54回ESRI経済政策フォーラムを開催した。

【こちらも】2017年の家計消費、4年連続で減少

 冒頭、西崎文平所長は、我が国のマクロ経済について実質ベースで雇用者所得は増加しているものの可処分所得レベルでは低調な伸びとなっており、消費はこれと相関した低調な推移となっているという認識を示した。その上で、(1)キャピタルゲインの資産効果はどこへ行ってしまったのか(2)高齢者の行動に、取崩しを控えるような変化が近年生じたのか(3)「将来不安」の高まりが消費を抑えているという議論をどう認識すべきか、などの問題提起を行った。

 続いて、堀雅博上席主任研究官がミクロデータを用いた近年の研究成果を根拠に、(1)インフレ期待の消費押し上げ効果は大きくない。(2)資産効果は一時的でその効果は既に薄れている。(3)高齢化だけでは貯蓄率低下を説明できない。(4)成長率の低下が当期所得と生涯所得の関係を変化させ、高齢世帯で平均消費性向の上昇、若年世帯での低下を引き起こしている。(5)近時の消費の低迷の要因としては、所得増が恒久的で生涯所得を上昇させるものと認識されていないこと、さらに消費税増税が高齢世帯を中心に負担増と認識されたことが影響している可能性がある、等の認識を示した。

 これらの認識に対して、斎藤太郎室長(ニッセイ基礎研究所)は、消費低迷の最大の要因は可処分所得の伸びが低いことであるとしたうえで、「デフレ脱却宣言等で消費者や企業のマインドをリセットし賃金の引き上げが自然に行える状況を生み出すことが必要」との認識を示した。

 宇南山准教授(一橋大学)は、「住宅ローンを抱える世帯の消費が特に低迷しており、借り換え促進策等で既に借り入れを行っている世帯が低金利の恩恵を享受できるような制度整備が必要」と指摘した。

 長内智シニアエコノミスト(大和総研)からは「雇用者報酬の増加は雇用者数の増加が主要因であり、賃金は低迷が続いている」という認識を示した上で「賃金上昇への取組みが消費回復につながる」との見方が示された。また、「人口減や高齢化の下でマクロ消費の拡大は難しく、焦点を1人当たりの消費というミクロベースにシフトする必要がある」という認識も示された。

 全体として、消費低迷の克服のためには賃金上昇と消費者負担の軽減が課題であるといえる。(編集担当:久保田雄城)

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※この記事はエコノミックニュースから提供を受けて配信しています。

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