サンゴを絶滅に導く「白化」を防ぐ物質を発見、京大などの研究グループ

2018年5月20日 10:16

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西表島の健康なサンゴ礁。(提供:写真AC)

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 現在、地球上のサンゴ礁の約3分の1が絶滅の危機に瀕していると言われている。その原因は色々とあるのだが、中でも重大なものの一つに「白化」がある。詳しくは後述するが、それを防ぐための新物質が発見されたという。京都大学の植田充美農学研究科教授、青木航同助教、元根啓佑同博士課程学生(日本学術振興会特別研究員)および、東京大学の高木俊幸助教らと、東京大学、早稲田大学、筑波大学、沖縄科学技術大学大学院、京都市産業技術研究所・京都バイオ計測センターの研究グループが発表した。

【こちらも】グレートバリアリーフの保護に約400億円を投入、オーストラリア政府が表明

 さて、サンゴ礁の白化についてである。サンゴ礁というのはそもそも、群体の生物だ。単一の種だけではなく複数の生物が共生関係を作ることで、サンゴ礁というものが生まれるわけであるが、サンゴと共生している褐虫藻という藻類が減少すると、白化現象が起こる。サンゴは褐虫藻に頼って光合成からのエネルギーを得ているため、白化が長期間続くと、サンゴは死滅してしまう。

 近年問題になっているオーストラリアの大サンゴ礁帯、グレートバリアリーフの破壊にもこの白化が深く関わっている。

 今回、研究グループは、サンゴの白化は、温暖化による高温ストレスのために活性酸素種が異常に産出されることによって生じるのではないか、との仮説を立てた。そこで活性酸素種を消去するために設計されたレドックスナノ粒子(Redoxnanoparticle:RNP)というものを活用したところ、これを投与したサンゴ幼生では正常な細胞には危害を加えることなく活性酸素種のみを選択的に取り除くことができた。またそれによって、生存率の上昇も確認されたという。

 もっともRNPをそのまま利用するわけにはいかないらしいが、今後海洋に直接散布することのできる、高分子などで同様の機能を持つものを探索し、サンゴ樵の保護に繋げていきたいという。

 研究の詳細は、Marine Biotechnologyに掲載されている。(記事:藤沢文太・記事一覧を見る

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