トヨタ、自動運転車用のテスト施設を米ミシガン州に建設 開発を加速へ

2018年5月5日 15:57

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ミシガン・テクニカル・リソース・パーク(写真: トヨタ自動車の発表資料より)

ミシガン・テクニカル・リソース・パーク(写真: トヨタ自動車の発表資料より)[写真拡大]

 トヨタは4日、人工知能の開発などを行う米国の子会社Toyota Research Institute(TRI)が、アメリカ・ミシガン州に自動運転開発用の新施設を建設すると発表した。自動運転車の開発を加速させるためのテスト施設として、2018年10月より使い始める予定。

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 公道では危険性が高く実施が難しいエッジケース、特異な状況の下で起こる事例の運転シナリオを再現し、安全な環境で柔軟にテストする。新たな施設には都会の混雑した交通環境や滑りやすい路面、入口と出口のある片側4車線の高速道路などを模した施設も含まれる。

 特に期待されているのは、トヨタによる高度安全運転支援技術を意味するガーディアン・モードの開発促進だ。ガーディアンとは、人による運転を前提としながらも、衝突の危険がある時などはその回避支援を行う自動運転システムによって乗員を保護する考え方である。

 例えばドライバーの注意力が落ちている時や居眠りしそうな時など、システムがそれらを検知して警告を発する。さらに緊急ブレーキやハンドル操作を行うなどして、衝突の回避支援をする。そうしたシステムにより、ドライバーを守るためのモードだ。

 新しい施設が完成すればガーディアン・モードの実験車に関する試験が容易になり、車両性能開発が速やかに行えるようになる。新施設は既に設けられているテストコースの内部、ミシガン州・オタワレイク市のミシガン・テクニカル・リソース・パーク内にある約2.8キロメートルの楕円形テストコースの中に建てられる。

 なおTRIは2016年1月に設立された、トヨタにおける人工知能などの研究開発拠点である。トヨタはTRIを技術革新の基盤と位置付け、主に車やロボットなどの分野で、人と協調する人工知能技術の開発に取り組んでいる。(記事:小椋恒示・記事一覧を見る

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