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楽天が周知のとおり14日、第4の携帯会社設立の方針を明らかにした。NTTドコモ・ソフトバンク・au同様に基地局を保有し、自前の回線網を持つ携帯電話会社を設立するとしたのだ。
同社の三木谷浩史会長兼社長は、闘志をむきだしにして前々からこう言い放っていた。「アマゾンは当社(うち)を倒そうと採算を度外視している」。しかしこれまでは「金融事業や広告事業でさらなる成長を図っていく」とし「本丸」は口にしなかった。がついに胸に呑み込んでいた「本音」をはいた。
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14日の表明以来メディアの報道は、必ずしも楽天にとり「歓迎」すべき内容ではなかった。「困惑」を示す配信が主だった。「楽天は(14日に)今後7年間で最大6000億円の設備投資を発表したが、既存携帯3社は年間で3000億円から4000億円を投資している。あまりにも少なすぎる」とする見方が支配的だった。「マラソンでいえば既に40㎞地点に達している3社をゼロから追いかけようという話だ」と「絶望視」する報道もあった。
だが楽天の過去を振り返ると、現時点で私はそれなりの可能性も感じる。
周知のとおり楽天のデビューは、信長時代の「楽市楽座」の考え方(どんな商圏も、顧客を引き付けられてはじめて成り立つ)をベースにした1997年の「楽天市場」創設である。ECモールは既にあった。しかし楽天はモールへの出店に「差別化戦略」で打って出た。出店に当たっての定額制を執ったのである。これが結局は今日の楽天の入り口となった。その凄まじさは収益動向に顕著に見て取れる。2000年に上場しているが5年後の05年には「売り上げ40倍(1298億円)、営業利益37倍(358億円)」に、文字通り膨張している。
そしてこの間にも相次いで差別化戦略を執っている。02年の「共通ポイント制」などその最たるものだろうし、07年の「あんしんショッピングサービス:配達遅延や欠陥商品への補償体制」なども同社のファンを増幅させた。果たして巷間指摘されるように楽天は、「値段勝負」だけで第4の携帯電話会社を目指そうというのか。位相の異なる差別化戦略が、懐に用意されていると思えてならない。(千葉明)
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