JPモルガン・チェース取得のアプリ関連特許、EFFの「今月のバカ特許」に

2017年9月5日 21:58

印刷

記事提供元:スラド

headless曰く、 米JPモルガン・チェース銀行は8月28日、複数のモバイルアプリケーションによる情報の共有をユーザーが許可するシステムと方法の特許US Patent 9,747,468('468特許)を取得した。この特許をEFFがさっそく、毎月最もバカバカしい特許に贈る「Stupid Patent of the Month」に選んでいる(Deeplinks BlogArs Technica)。

 '468特許の内容としては、モバイルアプリ1がユーザーの許可を得ることでモバイルアプリ2のデータを使用できるようにするというものだ。2つのモバイルアプリは1台のモバイルデバイスにインストールされている場合と、それぞれ別のモバイルデバイスにインストールされている場合が含まれる。対象のモバイルデバイスはスマートフォンやタブレット、電子書籍リーダーなどユーザーがアプリをインストールして使用できるもの全般であり、OSやプログラミング言語を特定しない幅広い内容だ。

 '468特許の出願は2015年だが、2013年に出願された2件の特許(うち1件はUS Patent 9,152,477として2015年に登録済)をまとめたものだ。しかし、2013年の時点でモバイルアプリケーションがインストール時にデバイス上のデータや機能へのアクセス許可を求めるのは一般化しており、アプリ間でのデータ共有と許可の仕組みはそれ以前から議論されていたという。

 仕組みが議論されていただけでなく、モバイルアプリ間でのデータアクセスでユーザーの許可を得る仕組みは実際のアプリで既に使われていた。2012年にはiPhoneの連絡先情報を無断で外部に送信するアプリが問題となり、iOS 6では連絡先やカレンダー、写真へのアクセスにユーザーの許可を求めるようになっている。記事ではTwitterのパーミッションにも言及しているが、こちらはアプリがTwitterアカウントへアクセスする場合のもののようだ。

 EFFは2013年当時のアプリケーション開発者なら誰でも’468特許の請求項が自明とみなされると考えただろうと述べ、このように自明で幅広い「発明」の特許を認めてしまう米特許商標庁(USPTO)を批判している。

 スラドのコメントを読む | YROセクション | YRO | パテント | EFF | アメリカ合衆国 | 政府

 関連ストーリー:
Kaspersky Lab、同社を訴えたパテントトロールに5千ドルを支払わせる 2017年09月02日
EFF、食事の栄養情報を記録して今後の計画に役立てるというソフトウェア特許を批判 2017年07月09日
電子フロンティア財団の「愚かな特許」記事、また裁判沙汰に 2017年04月20日

※この記事はスラドから提供を受けて配信しています。

関連キーワード

関連記事