トヨタ、2022年に全固体電池採用の電気自動車を発売か

2017年7月28日 08:16

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記事提供元:スラド

あるAnonymous Coward曰く、 トヨタ自動車が、「全固体電池」を採用した電気自動車を2022年にも発売すると報じられている(中日新聞)。

 この話の根拠は、昨年3月に発表された「全固体電池」の開発、つまり液体電解質より性能が上の固体電解質の開発(発見)であり、今回のトヨタの発表は製品化を5年後にする目途を立てた、というもの。肝心の電池の話はNature Japanのインタビューを中継掲載しているハフィントンポストの記事が詳しい。

 要約すると、2011年にはLi10GeP2S12という固体電解質を開発していたが、性能が低い上にレアメタルのゲルマニウムを含んでいたので、製品化できるレベルではなかった。その後、Geの代わりにSiやSnでもなんとかなることが分かったが、性能はさらに落ちてしまった。ところが、不純物が多い時に性能が予想よりも上であることに気付き、色々試すと、その不純物はClで、比率もLi9.54Si1.74P1.44S11.7Cl0.3で性能ピークと特定された。なぜClがよいのかはよく分からない。この新しい固体電解質は「イオンが固体の中をあたかも液体の中を流れるかのように動き回れる物質」であり、室温でのイオン伝導率25mScm-1は現在のリチウムイオン電池の有機電解質(液)の10mScm-1を上回り、数分でフル充電が完了するほか、出力特性でも急速充放電が可能なキャパシタより優れている。

 欠点として、「電池として量産した場合の負極側の安定性」が挙げられている(直接関係ないが、「環動高分子の利用によるLiイオン電池用Si負極の高寿命化」は負極の安定性による電池寿命の話)。

 また、産総研が2月に発表したプレスリリースでは、「硫化物固体電解質は大気暴露により毒性が高い硫化水素ガスの発生が懸念されるのに対して、酸化物固体電解質は化学的安定性が高く」と、暗にトヨタ方式の固体電解質の市場投入を批判しており、どういう方向性で今回の発表に繋がるトヨタの電池が試作されたのか興味深い。

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※この記事はスラドから提供を受けて配信しています。

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