経済指標が厳しい中でイエレン議長の声明に注目、6月27日のドル円為替

2017年6月27日 10:40

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 6月最終週に入り、26日(すべて日本時間)の早朝は1ドル111円13銭まで下げたが、その後はドル買いの傾向が強く、27日10:00ごろには1ドル111円99銭の高値をつけている。今週は経済指標に注目が集まるが、はたして米国の好調な経済状況を示せたのだろうか。

【こちらも】今日の為替市場ポイント:欧米株高などを意識してドルは底堅い動きに

 昨日は日本市場から欧米市場に移ってもドルは上がり続けた。しかし21:30に5月耐久財受注額、5月シカゴ連銀全米活動指数が発表されると、1ドル111円70銭付近からドルは急落する。22:00には1ドル111円36銭をつけた。期待されていた経済指標が事前予想を下回ったからである。5月耐久財受注額は前月比-1.1%。事前予想が-0.6%だっただけにマイナス幅が広がっている。除輸送機も+0.1%と事前予想の+0.4%を下回った。同時刻に発表された5月シカゴ連銀全米活動指数も-0.26という結果であり、事前予想の0.20というプラス予想を大きく裏切る形になった。市場は一転、ドル売りとなる。しかし22:00以降は反発し、1ドル111円56銭まで戻した。23:30には6月ダラス連銀製造業活動指数も事前予想を下回る結果となり、日付の変わった6月27日0:00ごろまでに1ドル111円37銭までドルが売られる。

 重要視されていた経済指標が軒並み低水準であり、長期債券利回りも上げ渋っている状態だが、その後はドル買いが強まっている。なぜだろうか。

 米連邦最高裁がトランプ大統領の政策の一つである入国禁止法を部分的に認めた。トランプ大統領は「最高裁の判断は明確な勝利である」とコメントを発表。トランプ政権にとっての追い風がドル買いの材料となっている。

 日本の自動車部品企業であるタカタが経営破綻をきたし、負債総額が1兆円を超える見通しと報道されたことで、日本の関連企業の業績悪化を懸念しているという意見も聞かれる。この場合のリスク回避は円売りドル買いという動きになるだろう。

 ドル高が進んではいるが、肝心の米国経済状況は厳しい。イエレンFRB議長はどう見ているのだろうか。今晩2:00からの講演に注目したい。(記事:ろひもと理穂・記事一覧を見る

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