国民負担率、17年度見通しは42.5%、16年度に続き高水準に

2017年2月12日 10:58

印刷

 財務省は10日、2017年度の国民負担率(租税負担率と社会保障負担率の合計)が、16年度から横ばいとなる42.5%になるとの見通しを発表した。15年度に過去最高となる42.8%を記録したが、16年度に引き続きそれに次ぐ高い負担率となる見通し。国民負担率に財政赤字対国民所得比を加えた潜在的国民負担率は、16年度から0.5ポイント減少して49.4%になる見通しとなった。

 国民負担率は国民の公的な負担の程度を示す数値。租税負担率(国民所得に占める租税負担額)と社会保障負担率(国民所得に占める社会保険料負担)の合計値で計算され、17年度は租税負担率が25.1%、社会保障負担率は17.4%となる見通し。

 国民負担率の年度ごとの推移を見ると、1970年度当時の国民負担率は24.3%で、租税負担率は18.9%、社会保障負担率は5.4%だった。租税負担率はその後18.3%~27.7%の間を上下しながら推移しているが、少子高齢化の進展と共に着実に増加しているのが社会保障負担率だ。1980年度は8.8%、1990年度は10.6%、2000年度は13.1%、2010年度は15.7%と推移している。2017年度見通しの社会保障負担率は、1970年度の約3.2倍になる。

 欧米諸国の国民負担率(2014年)は、アメリカが32.7%、イギリスが45.9%、土井tが52.5%、スウェーデンが56.0%、フランスが68.2%となっている。イギリス、ドイツ、スウェーデン、フランスはいずれも日本より負担率は高い。社会保障負担率でも、ドイツは22.1%、フランスは27.3%と日本よりも高い負担率となっている。

 実際のところ、国際社会の中では現状の日本の国民負担率は高い方ではない。経済協力開発機構(OECD)に加盟する34カ国中では28位と、下から数えた方が早い。

 しかし将来的に消費税が段階的に引き上げられていく見込みであること、そして高齢化がますます進展していくことを考えると(OECD加盟国内では、日本の高齢化率は2位以下を大きく離しての1位)、日本における国民負担率は今後も着実に上昇していくことになりそうだ。(記事:荒川・記事一覧を見る

関連キーワード

関連記事