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ダイキン工業、米エアフィルタ最大手を507億円で買収
ダイキン工業は9日、子会社のアメリカンエアフィルタ社を通じて、米国のエアフィルタ最大手フランダース社(Flanders Holdings LLC.)を4億3,000万ドル(約507億円)で買収すると発表した。買収によって、フランダース社が得意とする高付加価値商品の展開が可能になるほか、販売面でのシナジーやコスト競争力の向上を見込んでいるという。
同社によると、フランダース社は米国でトップシェアのエアフィルタメーカーで、特に製薬や食品分野などクリーンルーム向けの高機能・高付加価値商品に強みを持つ。設立は1950年、従業員数は2,700人、2015年12月期の売上高は2億9,800万ドル(約351億円)。
商品ラインアップは業務用から住宅用まで幅広く、全米に販売網を展開している。ニューヨークやシカゴなど米国の主力市場の近くに製造拠点があり、リードタイム・物流コストの面で高いコスト競争力を持つという。
アメリカンエアフィルタ社は今回の買収で、業務用から住宅用まで商品ラインアップが揃うほか、フランダース社が得意とする製薬や食品分野でのクリーンルーム向けなど高付加価値商品の展開が可能になるという。
生産面では、物流コストやリードタイムに優位性を持つフランダース社の強みを生かし、米国トップメーカーのボリュームを活かした調達など、コスト競争力の向上も期待できるという。
買収後の体制については、アメリカンエアフィルタ社が受け皿となり、フランダース社を統合する。 本社機能は、アメリカンエアフィルタ社側に置くが、フランダース社の販売、生産体制は基本的に継続する方針。今後、買収に必要な手続きを経たうえで、4月に買収が完了する予定。
ダイキングループのエアフィルタ事業は、アメリカンエアフィルタや日本無機が手掛けており、北米・欧州・中国・東南アジア地域と日本に生産拠点を構え、ビルや工場空調向けの業務用エアフィルタや、プラントの集塵システムなどエンジニアリングの分野で事業を展開してきた。
今回の買収で、同社グループのエアフィルタ事業は、売上高1,000億円を超える規模となる。空調、化学に次ぐ第3の柱として、将来的には主力である空調事業とのシナジーを生み出していくという。
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