京大、自発的に酒を飲む野生チンパンジーを発見―ヒト以外で初めて

2015年6月17日 16:15

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自然発酵したパームワインを飲む野生チンパンジー(写真:京都大学の発表資料より)

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 京都大学の松沢哲郎教授らの国際共同研究チームは、野生チンパンジーがアルコールを含んだものを嫌悪することなく採食することを発見した。

 ヒトとアフリカにすむ大型類人猿は、アルコール代謝を可能にする遺伝的変異形質を共有していることが分かっているが、習慣的かつ自発的なアルコール消費は、これまでヒトでのみ知られていた。

 ギニアのボッソウでは、地域住民はラフィアヤシの木の上にポリタンクを設置し、朝と夕方に自然発酵したパームワインを回収する。アルコール度数は平均すると3.1%だったが、6.9%に至るものもあった。

 ボッソウにくらす野生チンパンジーは、このポリタンクを発見すると道具となる葉っぱを浸し、パームワインを飲むことが観察された。この行動は性別を問わず、6歳の子供から大人までにみられ、1995年から2012年にかけて、計20回、51個体で観察された。

 このような行動は、野生チンパンジーがアルコールを含んだものを嫌悪することなく採食することを示している。

 研究メンバーは「本研究は、長い間のフィールドワークで初めて明らかになった成果です。ギニア共和国ボッソウでは野生チンパンジーの研究が1976年以来、ほぼ40年近く続いています。京都大学霊長類研究所を中心にした国際チームです。長いあいだ観察を続けているので、野生チンパンジーがわれわれ研究者を警戒することなく、自然な姿を見せてくれるようになりました。」とコメントしている。

 なお、この内容は「Royal Society Open Science」に掲載された。論文タイトルは、「Tools to tipple: ethanol ingestion by wild chimpanzees using leaf-sponges」。

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