川崎重工、トルクメニスタンで世界最大のガス・ツー・ガソリン製造設備を受注 天然ガスからガソリン精製

2014年8月27日 19:27

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 川崎重工は27日、トルクメニスタンの国営公社であるトルクメンガス(本社・アシカバード市)から、天然ガスを原料とし最新のガス液化技術により高品質ガソリンを製造する世界最大のガス・ツー・ガソリン(GTG)製造設備を受注したと発表した。トルコの建設会社であるルネッサンス社(本社・アンカラ市)とのコンソーシアム(共同)受注であり、川崎重工はリーダーとしてプロジェクト全体の取りまとめを行う他、製造設備のエンジニアリング及び機器の供給を担当する。ルネッサンス社は土木工事と製造設備の組立を行う。受注金額は約1,500億円で、2018年の稼働開始を予定している。

 今回受注した設備は、化学プロセス技術・触媒で世界的に実績のあるデンマーク・トプソー社の最新技術を採用し、天然ガスを原料として年間60万トンの高品質ガソリンを製造する。設備は、トルクメニスタンの首都、アシカバード市北部のオバダンデペ地区に建設される。

 ガス液化技術は、すでに天然ガス産出国などで実用化されているが、今回採用する技術は、ガソリン精製工程を簡素化し、天然ガスから効率よく製造できる点が特徴である。また、天然ガスを原料とするため、従来の原油を原料とする設備と異なり、温室効果ガスの排出を抑制できるため、天然ガス、シェールガス資源保有国で注目されている。

 天然ガス資源国では、今後の持続的経済成長のため、天然ガスの有効利用策として、GTG製造設備に大きな期待を寄せている。トルクメニスタンでも、今回と同規模の設備増設を計画するなど、GTG設備には、引き続き堅調な需要が見込まれている。(記事:南条 誠・記事一覧を見る

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