NYの視点:米7-9月期GDPは在庫が牽引、消費は一段と低迷

2013年11月8日 08:04

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記事提供元:フィスコ


*08:04JST NYの視点:米7-9月期GDPは在庫が牽引、消費は一段と低迷

米商務省が発表した米国の7-9月期国内総生産(GDP)速報値は前期比年率2.8%増と、市場予想の2.0%増を上回り前期の2.5%増から改善。1年ぶりの高い伸びとなった。成長を助けたのは、主に在庫や輸出、さらに政府支出の改善だ。在庫の寄与度は0.83%と、前四半期の0.41%からほぼ倍。そのほか、輸出は0.31%と3カ月ぶりにプラスに寄与した。また、政府の支出も0.04%プラスに寄与。1年ぶりのプラスに転換した。

一方で、消費や企業の設備投資の鈍化が目立った。米国経済の3分の2を占める個人消費は前期比1.5%増と予想の1.6%増を下回ったほか、GDPへの寄与度は1.04%と2011年4-6月期で最低にとどまった。さらに、設備投資の指針となる投資の寄与度も0.63%にとどまった。前四半期の0.96%から低下。消費の鈍化は今年の夏の暑さが比較的マイルドであったためガスや電気料の使用率が低かったことが要因だとの指摘もあるが労働市場への警戒感などに国民は消費に慎重になったようだ。また、企業も経済見通しの不透明感などに資本材への投資を控えている。

これに加えて2013年度最後の四半期には16日の政府機関閉鎖が成長の重荷となる。7-9月期にGDPで成長の伸びを牽引した在庫が10-12月期には減少する可能性があることから、ゴールドマンサックスは10-12月期国内総生産(GDP)見通しを事前の2.0%増から1.5%増へ引き下げ。通常、在庫が増加すると、次の四半期に減少する傾向にある。バーナンキ米連邦準備制度理事会(FRB)議長や次期議長に近く上院で承認されると見られるイエレンFRB副議長は積極的な緩和措置が正当化される十分な理由があると見ている一方、量的緩和はコストと効果の均衡性で懐疑的見方を強めているようだ。量的緩和第3弾(QE3)を縮小すると同時にフォワードガイダンスを逆に強化する政策を導入すると見られている。こうなると量的緩和の縮小や終了の時期はバーナンキ米連邦準備制度理事会(FRB)議長が5月に提示したロードマップとほぼ一致した時期(年内に縮小、終了は2014年半ば)となる可能性がある。緩和の方法がシフトするだけなのでドルは動きづらい。《KO》

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