【株式評論家の視点】アンジェス MGは悪材料の織り込みを完了、決算発表に関心集まる

2013年9月13日 10:05

印刷

記事提供元:日本インタビュ新聞社

<銘柄の見所>

  アンジェス MG <4563> (東マ)はまもなく調整にピリオドが打たれ、出直り相場に転じる公算が大きくなってきた。株価に亀裂が入ったきっかけは、8月12日に、提携先の米バイオベンチャーのバイカル社が、難治性皮膚がんである転移性メラノーマ治療薬「アロベクチン」の第Ⅲ相臨床試験において有効性が確認されなかったと指摘。その結果を受けて、バイカルは開発を断念すると発表したことがきっかけ。

  この点について、同社はアロベクチンについては試験データを検証したうえで、メラノーマ以外のガン疾患での適応を踏まえて検討していくとの見解を明らかにしている。また、今後は遺伝子治療薬「コラテジェン」の米国第3相臨床試験、アトピー性皮膚炎治療薬「NF-kBデコイオリゴ」に関連する各種臨床試験、CIN治療ワクチンの開発を重点的に推進するとした。そのため、今回の「アロベクチン」のバイカル社の開発断念による、今2013年12月期業績への影響がないことを公表している。

  株価は急落後、約1カ月にわたる値固め場面に終始しているが、時間的な経過、それに下値が底堅い動きに照らすと、悪材料の織り込みは十分に進んだと受け止められそう。10月28日に予定されている今12月期の第3四半期累計決算で、従来の業績見通しに変更のないことが確認されれば、株価見直しの大きなうねりが押し寄せそうだ。株価はその先取りに動く方向が予想される。

  なお、10月から、遺伝子治療薬「コラテジェン」を用いたリンパ浮腫の治験を開始する模様だ。すでに、独立行政法人新エネルギー・産業技術開発機構(NEDO)の「イノベーション実用化ベンチャー支援事業」に採択されており、今後の業績寄与に期待がかかるところだ。(株式評論家・隆盛)(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media-IR)

【関連記事・情報】
【編集長の視点】松風は半値押し水準を固める、新製品連続発売をテコに見直し(2013/09/12)
【株式評論家の視点】オイシックス株価一服も有望、特別栽培農産物、無添加食品の高評価(2013/09/12)

※この記事は日本インタビュ新聞社=Media-IRより提供を受けて配信しています。

関連記事