東京招致を織り込むトレンド形成に【クロージング】

2013年9月4日 16:37

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記事提供元:フィスコ


*16:37JST 東京招致を織り込むトレンド形成に【クロージング】

4日の日経平均は3日続伸となり、75.43円高の14053.87円(出来高概算22億6000万株)と、終値ベースでは8月14日以来の14000円を回復した。連休明けの米国市場は上昇するものの、シリアへの軍事介入の是非を巡る議員発言などが嫌気され、上げ幅を縮めていた。シカゴ先物は大証比105円安の13885円だったこともあり、日経平均はこれにサヤ寄せする格好で利益確定の売りが先行した。売り一巡後は、大きなトレンドは出難い状況のなか、前場段階では日中値幅が60円程度にとどまっていた。

しかし、13時辺りから主力銘柄を中心にじりじりと下げ幅を縮めると、その後も海運、証券、不動産、鉄鋼、その他製品、銀行、ゴム製品、その他金融など幅広いセクターが強含むなか、日経平均はプラスに転じている。大引けにかけてもじり高基調が続いており、ほぼ高値圏で取引を終えている。

海外勢による断続的なプログラム買いが日経平均を押し上げたとみられるほか、投信設定を控えての先回り的な動きも意識されている。また、週末に迫る2020年夏季五輪開催地決定では、欧州では東京が本命との見方が高まるなか、アベノミクスの進展への思惑もあった。

さらに、消費増税に対しては、日銀が追加緩和で対応するとの報道も押し目買いを強める一因となったようである。さらに、みずほ証券が9日から開く投資セミナーに、甘利経済財政・再生相が登壇する予定である。このセミナーには、海外から約320人、国内からは約1200人と、過去最多の投資家が参加を予定していると伝えられており、株高対策への思惑も高まる。

日経平均は14000円を回復し、テクニカル面ではいったんは諦めかけていた一目均衡表の雲突破を試す展開が意識されてきている。週明けには14180円近辺で雲がねじれを起こすが、東京招致となれば一気に上放れてくる可能性がある。もっとも、週内にこれを上放れてくるようならば、欧州勢が見る「日本本命」が確定に映るだろう。《KO》

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