JX日鉱日石エネルギーが「創エネ+リノベーション」の実証試験開始

2012年5月18日 11:00

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記事提供元:エコノミックニュース

 JX日鉱日石エネルギーが、既設の集合住宅にリノベーションを施すと同時に、3電池(家庭用燃料電池エネファーム、太陽光発電、蓄電池)などからなる自立・分散型エネルギーシステムを設置した「ENEOS創エネリノベーション」の実証試験を開始すると発表。2014年度末までの約3年間、社員による居住実証を行い、創エネとリノベーションの相乗効果によるトータルでの環境負荷低減を検証し、将来的には、戸建住宅を含めたコミュニティでのスマートコミュニティの実現を目指す。

 本実証試験は、JX日鉱日石エネルギーが東芝、三井不動産レジデンシャルとともに共同参加している経済産業省「次世代エネルギー・社会システム実証事業」のひとつ、「横浜市スマートシティプロジェクト」の一環として実施。築40年近くを経た横浜市磯子区のJX日鉱日石エネルギー社宅(汐見台アパート、全16戸)を選定し、そのリノベーションに合わせて3電池などの導入を実施する。6台設置するエネファームは、当該16世帯におけるベースの電源および熱源(貯湯・給湯設備)として24時間定格運転、エネファームおよび太陽光発電の余剰電力は、蓄電池に充電し夕方・夜間に使うとともに、ヒートポンプ式給湯機によって熱(温水)に変換して利用するとのこと。また、東芝が開発したエネルギーマネジメントシステムにより、各家庭における省エネ、集合住宅全体での効率的なエネルギー利用などを促進。これらの運用により、エネルギーの地産地消を最大限行い、電力自給率80%、電気とお湯の使用に伴うCO2排出量50%削減を目指という。さらに、3電池の連携により、系統停電時にも一定の電力・熱の供給を可能とする自立機能の検証も行われる。

 戸建てやビルでは盛んに実施されてきたスマートコミュニティ事業。16世帯と、規模は大きくないものの、既存集合住宅をリノベーションしての実証がようやく本格化した形である。検証結果はいかなるものか。リノベーションでの検証結果次第では、コミュニティのスマート化が一段と加速するものとなる。それだけに期待の集まるものといえるであろう。

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