殺虫剤耐性を獲得した害虫、実は体内に寄生する細菌が殺虫剤を分解していた

2012年4月26日 18:09

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記事提供元:スラド

danceman 曰く、 最近、「殺虫剤耐性」を持つ害虫が登場している。殺虫剤耐性を持つようになった原因としては「遺伝子の突然変異」が考えられるが、このたび産業技術総合研究所や農業環境技術研究所などの共同チームが「害虫の体内に共生する細菌が殺虫剤を分解し、宿主に殺虫剤耐性を持たせている」ということを発見、米国科学アカデミー紀要(PNAS)に論文を発表している(本家/.Ars TechnicaPNAS掲載論文)。

 世界で広く使用されている殺虫剤「フェニトロチオン」を使用するサトウキビ畑から「バークホルデリア」という細菌を採取して調べたところ、同細菌がフェニトロチオンを分解できること、また同細菌を体内共生させている害虫は同殺虫剤に対して高い抵抗性を持つことが確認されたとのこと。

 一方、この殺虫剤の散布回数が少なかったりその使用量が制限されている畑では、細菌と害虫の協力関係は見られなかったそうだ。

 細菌は繁殖サイクルが早く、1日の間に複数世代にも増殖するため、短期間で殺虫剤耐性を獲得することができる。そのため、昆虫が殺虫剤耐性を獲得するまでの期間もこれまで考えられていた以上に短いことになる。

 農作物を害虫から守るには殺虫剤を分解できる細菌さえ寄せ付けなければ良いわけで、殺虫剤のターゲットは今後害虫だけでなく細菌も対象になるのかもしれない。

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※この記事はスラドから提供を受けて配信しています。

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