『Thief: The Dark Project Remastered』12月3日発売 「The Black Parade」制作陣の新キャンペーン収録

(Nightdive Studios / Atari / Eidos Interactive / Screenshot taken from Steam)[写真拡大]
Nightdive Studios、Eidos-Montréal、Atariは11月2日、『Thief: The Dark Project Remastered』の海外向け発売日を2026年12月3日と発表した。1998年のステルスゲームをリマスターし、『Thief Gold』の追加要素と、新キャンペーン「The Tarnished Mirror」を収録する。
対応機種はPlayStation 5、PlayStation 4、Xbox Series X|S、Nintendo Switch 2、Nintendo Switch、PC。PC版はSteam、Epic Games Store、GOGで配信する。新キャンペーンは、ファン制作の拡張作品「The Black Parade」を手がけたチームが担当する。
■闇と音を使いこなす盗賊の物語
『Thief: The Dark Project』は、Looking Glass Studiosが開発し、Eidos Interactiveが発売した一人称視点のステルスゲームだ。敵を正面から倒すことよりも、暗がりに隠れ、物音を抑えながら目的を果たすことに重きを置く。
主人公のギャレットは、路上で暮らしていたところを秘密結社Keepersに拾われ、訓練を受けた盗賊である。中世風の建築と工業技術が混在する都市The Cityで、貴族や商人の財宝を狙って生計を立てている。
皮肉屋で独立心の強いギャレットは、金銭目当てで引き受けた仕事を通じ、裏切りと復讐、超自然的な陰謀に巻き込まれていく。自然の力を象徴する神Tricksterとの対立は、都市の運命を左右する事態へと発展する。
プレイの鍵を握るのは、光と音への注意だ。暗がりは敵から身を隠す助けとなり、画面上の宝石状の表示で自分の見つかりやすさを把握できる。足音は移動速度や床の材質によって変わり、石床や金属の床を歩く際には、カーペットの上より慎重さが求められる。
水矢で松明を消せば、自ら隠れ場所を作れる。衛兵の足音から位置や接近を察し、立ち止まるか、進むかを判断する。環境を観察し、道具で状況を変えることが、そのまま攻略につながる設計である。
原作には大聖堂、邸宅、遺跡などを舞台とする12ミッションがあり、1999年の拡張版『Thief Gold』では3ミッションと敵5種などが加わった。リマスター版にはこれらの内容も収録する。2026年11月4日時点のMetacriticでは、原作PC版の批評家スコアは18件のレビューに基づく92点となっている。
■KEXで描画と操作を現代向けに更新
リマスターにはNightdive独自のKEXエンジンを用いる。同社が10年以上にわたって開発してきた技術基盤で、古いゲームを現代の描画・入力環境や複数のプラットフォームへ対応させる役割を担う。『Turok』『Star Wars: Dark Forces Remaster』『The Thing: Remastered』などでも使われてきた。
KEXの発展には、Sam “Kaiser” VillarrealによるNintendo 64版『Turok: Dinosaur Hunter』のリバースエンジニアリングが関わっている。VillarrealはNightdiveへの参加前から個人で移植に取り組み、その技術が同社による公式リマスターへとつながった。
NightdiveのStephen Kick氏はMicrosoftのインタビューで、古いゲームのコードをKEXへ組み込むための枠組みを整え、エンジニアが対応作業を進める仕組みだと説明している。元の体験を保ちながら、現代の機器で遊びやすくすることが同社の方針だ。
PC Gamerが紹介したDigital Foundryのインタビューで、エンジニアのJosh Dowell氏は、原作のDark Engineに開発途中の担当交代や応急処置の痕跡が残っていたと語った。コードには「巨大なハック! 決して真似するな!」「E3用ハック!」といったコメントもあったという。
Dowell氏は描画設計について、Quakeとの類似も指摘している。Quakeが描画対象となる領域を事前に計算するのに対し、Dark Engineは空間の開口部を通して何が見えるかを実行時に計算するという。こうした空間の扱いは、複雑な屋内を探索する原作の技術的な特徴の一つだ。
開発側の製品説明では、映像は最大4K解像度・120fpsに対応し、テクスチャー、モデル、アニメーションを改善する。武器やアイテムを選ぶ放射状メニュー、振動やジャイロ操作、クリア済みミッションの選択機能も加わる。従来の操作も選べ、原作のレベル設計には小規模な修正を施す。
■ファン作品の制作陣が公式の新章を担当
「The Tarnished Mirror」は、『Thief: The Dark Project』の後を描き、『Thief II: The Metal Age』へつながる独立した新キャンペーンだ。GOGの製品説明によると、全4ミッションで構成される。
都市が政治的・思想的な変動を迎えるなか、ギャレットは再び小さな盗みの仕事を引き受ける。古代の手鏡を盗む依頼が陰謀への入口となり、投獄、不安定な同盟、水没した死者の都市へと物語が進む。
発表によると、新たな勢力や敵、環境を登場させ、ラヴクラフト作品を思わせるホラー要素を取り入れる。リマスター版の技術と美術表現を使い、原作の雰囲気を引き継ぎながら舞台の規模を広げるという。NightdiveとEidos-Montréalは、この新章を公式の正史に位置付けている。
制作を担うのは「The Black Parade」を手がけたFeuillade Industriesのチームだ。PC Gamerの2023年の紹介記事によると、同チームを率いたRomain Barrilliot氏は、当時Arkane Lyonのレベルデザイナーとしても活動していた。
2023年11月30日に公開された「The Black Parade」は、『Thief Gold』向けの無償の非公式拡張作品で、全10ミッションを収録する。作中の833年、流刑からThe Cityへ戻った犯罪者Humeが、一文無しの状態から旧知のDahlquistを探す物語だ。ModDBの2023年「Mod of the Year」では、プレイヤー投票部門の1位に選ばれた。
新章の名称は、Steam実績情報への掲載を経て、Nightdiveが9月11日のティーザーで公表していた。PC Gamerによると、その時点で詳細発表を11月2日と予告しており、今回の発表で制作チームや物語の概要が明らかになった。
■長年のファンミッションをPC版でも
『Thief』には、1999年の『Thief Gold』に同梱されたミッションエディターDromEdなどを使い、独自のステージや物語を作り続けてきたコミュニティがある。ファン作品の保存サイトThe Keep of Metal and Goldでは、2026年11月4日時点で1115件が掲載されている。
2012年に登場した非公式更新NewDarkも、制作とプレイの環境を支えてきた。Thiefmissionsの解説によると、高解像度やワイド画面への対応などを追加したものだ。GOG版『Thief Gold』にも導入され、同ストアは2026年7月と8月に互換性や操作環境などを更新している。
ファン作品には、2012年公開の全5ミッションのキャンペーン「The Black Frog」や「Godbreaker」などがある。2018年の原作20周年コンテストには、主催者の発表によると24ミッションが集まった。長編キャンペーンだけでなく、単独のミッションを発表する活動も続いている。
リマスター版は「The Black Parade」を含むプレイヤー制作MODに対応する。Atariの製品案内では、カスタムキャンペーン対応はPC限定とされている。NightdiveのプロデューサーDaniel Grayshon氏は、ファンミッションとの互換性を開発当初から重視し、限られた時間のなかで幅広い作品を検証していると説明していた。
■パッケージ版は3種類、台形ボックスも復刻
海外では、PS5とNintendo Switch 2向けパッケージ版の予約受付も始まった。通常版のStandard Edition、Steelbook Edition、Deluxe Trapezoid Editionの3種類を用意する。Atariの製品案内によると、通常版にもゲーム本編と冊子の説明書が付属する。
Steelbook Editionは、通常版の内容にスチールブックを加える。Deluxe Trapezoid Editionには、さらにリマスターの制作資料「Remaster Diary」を同梱し、1998年版の台形の大型パッケージを再現した箱に収める。原作のパッケージを知るファンにも訴える仕様だ。
発表によると、Switch 2向けパッケージ版はゲーム本編を収録したカードを採用し、初代Switchでもプレイできる。Switch版の所有者にはSwitch 2 Editionへの無料アップグレードも提供する。2026年11月4日時点で、Steam版は英語など8言語に対応し、日本語は対応言語に含まれていない。
■ステルスゲームの系譜を新たな機種へ
『Thief』の魅力は、敵の視覚や聴覚、道具、地形を組み合わせ、状況に応じて進み方を選べる点にある。『Dishonored』『Prey』『Deathloop』『Weird West』などにも通じる、環境とプレイヤーの行動の相互作用を重視するイマーシブシムの系譜に位置する作品だ。
Looking Glassは2000年に閉鎖したが、その開発者や設計思想は後の作品へ引き継がれた。出身者が1997年に設立したIrrational Gamesは『BioShock』を生み、共同創設者Paul Neurath氏は後にOtherSide Entertainmentを設立した。ArkaneもLooking Glass作品から影響を受けたスタジオで、創設者Raphaël Colantonio氏は『Thief』への思い入れを語っている。
シリーズでは2014年にEidos-Montréalによる『Thief』も発売された。今回のリマスターは初代作品そのものを初めて家庭用ゲーム機へ届け、原作と『Thief Gold』、新キャンペーンをまとめて楽しめる機会となる。PCで育った作品の遊びを、コントローラー向けの操作とともに新たな読者層へ広げる展開だ。
元記事: Thief: The Dark Project Remastered Launches December 3 With Fan-Built Official Campaign
※この記事はTech Timesから提供を受けた記事を日本向けに翻訳・編集したものです。
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