「ウォーキング・デッド:ダリル・ディクソン」最終シーズンは2027年放送へ ジミー・スミッツが新登場

2026年9月11日 00:16

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記事提供元:Tech Times

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AMC+は2026年9月8日、「ウォーキング・デッド:ダリル・ディクソン」第4シーズンの初映像を公開した。シリーズの最終シーズンとして2027年に米AMCおよびAMC+で放送・配信される予定で、ジミー・スミッツが元米海軍士官で医師のアレハンドロ・パーキンス大尉役として加わる。具体的な開始日は発表されておらず、日本での放送・配信予定も明らかになっていない。

■最終シーズンにジミー・スミッツが参加

公開された約20秒の映像では、傷ついて横たわるダリル・ディクソンに、スミッツ演じるパーキンスが「おかえり、息子よ」と語りかける。AMCはパーキンスについて、終末世界で「独自の方法によって繁栄するすべを見つけた」元米海軍士官兼医師と説明している。

スミッツは「NYPDブルー」「ザ・ホワイトハウス」などへの出演で知られ、「スター・ウォーズ」シリーズではベイル・オーガナを演じた。新映像だけではパーキンスとダリルの関係や、その言葉に込められた意図は分からない。父親のように振る舞う協力者なのか、新たな共同体を率いる対立者なのかが、最終シーズンの焦点の一つになりそうだ。

AMCが公表したあらすじによると、最終シーズンではダリルとキャロルがスペインの荒廃した土地を進みながら、先行きへの不安が強まる中で希望と互いの存在を支えにしていく。ノーマン・リーダスとメリッサ・マクブライドに加え、ロマン・ルヴィ、エドゥアルド・ノリエガ、オスカル・ハエナダ、カンデラ・サイッタ、ウーゴ・アルブエスらも出演する。

■欧州を巡ってきたダリルとキャロル

「ウォーキング・デッド:ダリル・ディクソン」は、米国を離れたダリルがフランスへ流れ着くところから始まった。第1シーズンと第2シーズンではフランスを中心に物語が展開し、第2シーズンでキャロルとの再会が描かれた。第3シーズンでは2人が英国を経てスペインへ渡り、故郷への帰還を目指しながら、各地に形成された共同体と関わっていく。

欧州という舞台は、シリーズに米国編とは異なる風景をもたらした。修道院や宮殿、城塞、古い市街地といった歴史的建築が終末後の共同体へ組み込まれ、過去の制度や象徴が、新しい権力のよりどころとして利用されている。

第3シーズンのスペインでは、自らを王と称するトーレスがセビリアのアルカサルを拠点とし、武器や保護と引き換えに周辺の共同体へ要求を課す体制が描かれた。宮殿では、糸につながれたウォーカーを使った操り人形劇も催される。これらの場面は、ウォーカーを脅威としてだけでなく、権力を誇示する道具や見世物として扱う共同体の性質を表していた。

■操り人形ウォーカーが連想させる「操作」の研究

ウォーカーを糸で操る場面には、寄生生物が宿主の行動を変化させる現実の研究をイメージとして重ねられる。代表的な例が、アリに感染して行動を変える「ゾンビアリ菌」として知られる、オフィオコルディセプス属の菌類である。

2017年に米国科学アカデミー紀要へ掲載された研究では、感染したアリの体内に広がった菌細胞が筋肉を取り囲むネットワークを形成し、一部は筋繊維へ侵入していることが三次元観察によって示された。一方、菌細胞は脳内では確認されなかった。

この研究は、菌が筋肉を直接人形のように動かしていると証明したものではない。研究チームは、宿主の行動変化が脳への物理的な侵入だけに依存せず、体の末梢で起きる作用にも関係している可能性を示した。化学物質の分泌や宿主の遺伝子発現の変化、筋肉への影響など、複数の仕組みが行動操作に関与すると考えられている。

ウォーカーの操り人形劇とゾンビアリ菌は同じ機構ではないものの、外部の存在が宿主の身体を利用し、本来とは異なる行動を引き起こすという情報処理の構造には共通点がある。人間だった身体を権力者が見世物へ変える映像に、生物学における宿主操作の不気味なイメージを重ねられる。

操り人形劇では、ウォーカーの動力を生物学的に説明することよりも、それを操作する人間に注目する方が作品の主題に沿っている。感染によって自己を失った身体をさらに糸で支配する構図は、トーレスの宮廷が生者と死者の双方を統制しようとする姿勢を視覚化している。

■変異ウォーカーを進化で説明できるのか

「ウォーキング・デッド」シリーズでは、従来よりも行動や耐久性が異なるウォーカーが「変異型」として登場してきた。第3シーズンでも、頭部へ攻撃を受けた後に活動を続けるウォーカーが描かれている。

もっとも、作中の個体差を、生存者による排除がもたらした自然選択の結果だと断定する材料は示されていない。自然選択が集団を変化させるには、形質の違いが遺伝または複製され、その違いによって次の世代や複製体を残す割合が変わる必要がある。長く動き続ける個体が存在するだけでは、その性質がウォーカー集団へ広がるとは限らない。

ウォーカーがどのように変化し、新たな特徴がどのように共有されるのかは、シリーズ内でも十分には解明されていない。そのため変異型は、現段階では病原体の進化を忠実に描いたものというより、感染現象に未知の幅が残されていることを示す物語上の要素として読むのが自然である。

狂犬病は、咬傷によって感染し、中枢神経系に作用して行動や神経機能に深刻な変化をもたらす点から、ゾンビ作品との比較に取り上げられることがある。しかし、感染者の死後に身体を再び動かすものではなく、ウォーカーの発生機構を直接説明する類例にはならない。現実の感染症研究との比較は、神経系への作用や行動変化という限られた共通点を考える補助線となる。

■スペインの歴史を背景にした権力構造

第3シーズンのもう一つの特徴は、セビリアのアルカサルを拠点とする王制風の共同体である。宮殿や城塞が権力の中心として再利用される展開は、国家機構が失われた社会で、武力、物資、象徴的な権威を握る者が支配を築く過程を分かりやすく示している。

中世のイベリア半島では、キリスト教勢力とイスラム勢力の双方で多数の政治勢力が興亡し、同盟、戦争、貢納が複雑に組み合わされた。パリアスと呼ばれる貢納では、主にイスラム系のタイファ諸国がキリスト教諸王国へ金銭を支払い、軍事的圧力の回避や同盟関係の維持を図った。

作中で描かれる、保護や武器と引き換えに周辺の村へ負担を求める仕組みを、パリアスそのものとみなすことはできない。それでも、軍事的に優位な勢力が、安全の提供を名目として弱い共同体から資源を取り立てるという構造は、歴史上の貢納制度を連想させる。

こうした権力形成を読み解く手掛かりの一つが、社会学者・政治学者チャールズ・ティリーの議論である。ティリーは1985年の論考「国家形成としての戦争遂行と組織犯罪」で、欧州における戦争遂行と国家形成を、強制力を持つ者が保護を提供し、その対価として資源を徴収する過程として分析した。

ティリーはすべての国家が単純に犯罪組織と同じだと述べたのではなく、組織犯罪との類比を通じて、戦争、徴税、保護、国家形成の関係を説明した。トーレスの体制には、武装勢力が保護者を名乗り、自らの要求を統治の規則として正当化していくという点で、この議論につながる構造が見える。

一方、近代的な制度が崩壊すれば、社会が必ず中世の統治形態へ戻るとはいえない。作品が描いているのは歴史法則ではなく、宮殿、王号、儀式といった既存の象徴が、人々を従わせるために再利用される過程である。セビリアのアルカサルは、その仕組みを視覚的に伝える舞台として機能している。

■人間の記憶をつなぐルービックキューブ

第3シーズンでは、ダリルが目印として置いたルービックキューブをコードロンが見つける場面がある。かつて共有した経験や合図を物体に託すことによって、離れた人物同士の記憶と関係がつながる。

ルービックキューブを解くには、手順の学習、空間的な把握、注意や記憶など複数の認知能力が関わる。ただし、単独で作業記憶などを測定する標準的な検査というわけではない。

作品内では、ウォーカーが失った問題解決能力と、生存者が維持している記憶や意図を対比する小道具として読める。ダリルにとっては単なるパズルではなく、誰かが発見し、意味を理解することを前提としたメッセージである。身体の動きだけが残るウォーカーに対し、人間は物に意味を与え、他者と共有できる。その違いを簡潔に示す場面となっている。

■「故郷」を問い直す最終章

ダリルとキャロルは故郷を目指しながらも、旅先で出会った人々を見捨てず、そのたびに新たな関係と責任を背負ってきた。2人の選択は、血縁や以前からの仲間だけでなく、見知らぬ人々との協力が共同体を支えるというシリーズ全体の主題につながっている。

最終シーズンの舞台も引き続きスペインとなる。パーキンスがダリルへ投げかける「おかえり、息子よ」という言葉は、米国へ戻ることだけが故郷への帰還なのか、それとも新たな共同体にも故郷と呼べる場所があるのかという問いを浮かび上がらせる。

2027年の最終シーズンでダリルとキャロルがどこへたどり着くのかは、まだ明らかになっていない。これまで欧州編が重ねてきたのは、崩壊後の社会で人間がどのように歴史や象徴を再利用し、支配と協力という異なる形の共同体を築くかという物語だった。パーキンスが築いた場所と、そこを「故郷」と呼ぶ理由が、その物語の結末を左右することになりそうだ。

元記事: Daryl Dixon Season 4 Confirmed: Walker Puppets Trace to Real Zombie-Ant Parasitology

※この記事はTech Timesから提供を受けた記事を日本向けに翻訳・編集したものです。

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