マンションのEV充電器設置を後押し、テラチャージが合意形成や補助金申請を支援

(Terra-charge.co.jp)[写真拡大]
テラチャージは2026年9月4日、マンションへのEV充電器導入を居住者起点で支援するプログラム「ウチテラ!」を開始した。分譲・賃貸を問わず、EV利用者だけでなく購入を検討している居住者も申し込める。
マンションへの導入が実現した場合、プログラム参加者には対象充電器の充電料金が半年間無料になるクーポンを提供する。設置の可否や費用、補助金の適用は物件や申請時の条件によって異なる。
■居住者の要望を管理組合への提案につなげる
マンションにEV充電器を設置するには、管理組合や理事会、建物所有者などとの合意形成が必要になる。設備の選定や費用の検討、補助金申請を居住者が単独で進めることは容易ではなく、既存マンションでは導入手続きが普及上の課題となっている。
ウチテラ!では、参加者が管理組合、理事会、オーナーなどに充電器の設置を希望する意思を伝えた後、テラチャージが具体的な導入提案を支援する。説明会の実施、物件ごとの導入シミュレーション、補助金申請に関する手続き、設置工事、導入後の運用までを対象としている。
エントリー後は、同社の専任スタッフがマンションの状況に応じた導入方法や手続きの進め方を案内する。賃貸マンションの居住者や、EVをまだ所有していない購入検討者も対象となる。
マンションで充電設備を整備する場合、建物の受電容量や既存の配線、駐車場の構造などを確認する必要がある。複数の充電器を設置する物件では、同時使用による電力負荷を抑える制御や、利用者ごとの料金徴収の仕組みも検討項目となる。
必要な決議や承認の方法は、工事の内容、共用部分への影響、管理規約などによって異なる。このため、管理組合への説明や設置案の作成を事業者が支援することが、導入を具体化するうえで重要になる。
■補助金活用で1台当たり実質1000円から
テラチャージによると、補助金を活用することで、1台当たり55万円相当のEV充電インフラを実質1000円から設置できる環境を整えている。適用には諸条件があり、全てのマンションで同じ費用になるわけではない。
同社は、設置工事や各種手続きに加え、導入後のアプリ連携、充電料金の徴収、メンテナンスまでを一括して支援する。管理組合やオーナーに新たな継続的ランニングコストを発生させずに導入できるとしているが、具体的な条件は物件ごとのシミュレーションで確認する必要がある。
ウチテラ!への参加をきっかけに居住するマンションへテラチャージの設備が導入された場合、参加者には対象充電器を半年間無料で利用できる特別クーポンが進呈される。居住者の要望を、管理側による導入検討へつなげるための特典である。
充電設備は、EV利用者の利便性に加え、マンションの付加価値を構成する設備にもなり得る。テラチャージは、分譲マンションの資産価値や賃貸物件の付加価値の向上、入居者の退去防止なども期待できるとしている。これらは同社が示す導入効果であり、実際の不動産価値への影響は物件や市場環境によって異なる。
■国内の充電器は約6万8000口
経済産業省の集計では、2024年度末時点で国内に整備されたEV充電器は約6万8000口で、内訳は急速充電器が約1万2000口、普通充電器が約5万6000口となっている。政府は2030年までに、公共用の急速充電器3万口を含む計30万口を整備する目標を掲げている。
普通充電器のうち、自宅や勤務先などで長時間駐車中に利用する設備は「基礎充電」と位置付けられる。集合住宅では賃貸物件を中心に整備が進む一方、区分所有者による合意形成が必要となる分譲マンションへの導入が引き続き課題とされている。
新築集合住宅では、設計段階から配線や受電設備を組み込めるため、既存建物への後付けと比べて充電設備を整備しやすい。国土交通省と経済産業省は、新築集合住宅を供給する事業者に対し、充電設備を積極的に設置するよう求めている。
東京都では2025年4月から、新築建物を対象とする環境関連制度の中で、建物や駐車場の規模などに応じたEV充電設備または配管の整備基準が適用されている。一方、すでに入居者がいる既存マンションでは、設備面の調査に加えて管理組合などでの検討が必要になる。
■政府目標は2035年に新車販売を電動車100%
政府は2035年までに、乗用車の新車販売を電動車100%とする目標を掲げている。ここでいう電動車には、バッテリー式電気自動車とプラグインハイブリッド車に加え、燃料電池車やハイブリッド車も含まれる。
EVやプラグインハイブリッド車の利用では、自宅など日常的に駐車する場所で充電できる環境が利便性を大きく左右する。集合住宅での基礎充電を増やすには、充電器の設置台数だけでなく、管理組合への説明、費用負担、補助金申請、工事後の料金徴収や保守を含めた運用方法を整える必要がある。
テラチャージは2030年度までに、基礎充電8万口、経路充電5000口、目的地充電2万口の計10万5000口を整備する計画を公表している。同社の計画が実現すれば、政府が掲げる30万口の目標の約3分の1に相当する。
ウチテラ!は、充電器を希望する居住者の声を起点に、管理組合やオーナーによる検討へつなげる取り組みである。補助制度や設置サービスがあっても、具体的な提案を始める担い手がいなければ導入は進まない。テラチャージは、その初期段階から設置後の運用までを支援することで、既存マンションにおける手続き上の障壁を下げる考えだ。
■NACS対応は2028年度から
テラチャージは別の充電インフラ計画として、2028年度から北米充電規格「NACS」に対応した充電器の設置を始め、2033年度末までに全国2500口を整備する方針も示している。
同社は商業施設や幹線道路沿い、宿泊施設などへの設置を計画するとともに、マンションや宿泊施設で長時間駐車時に利用するNACS対応普通充電器の開発も検討している。既存のCHAdeMOなどに対応する充電器についても、引き続き拡充する方針である。
NACS対応計画とウチテラ!は別の取り組みであり、ウチテラ!で導入される設備が一律にNACS対応になることを意味するものではない。集合住宅への具体的な設置方式や機器構成は、車両側の対応状況や物件の設備条件、導入時期に応じて決まることになる。
元記事: Japan Apartment Dwellers Now Have Home EV Charging Path Via TeraCharge
※この記事はTech Timesから提供を受けた記事を日本向けに翻訳・編集したものです。
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