LEDライトをクルマに取り付けたらノイズが発生! その原因と対策とは

2020年5月29日 14:18

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 クルマのアフターパーツで、流行のLEDランプを取り付けるとノイズが発生することがある。これは、白熱球とLEDの発光原理が異なるため起きる症状だが、最近は電子機器を多数搭載したクルマも多く、予期せぬ部分にノイズ障害をもたらすことがある。

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 アフターパーツのLEDランプは、ヘッドライト、フォグランプ、テールランプ、ナンバー灯、室内灯などに対応した商品が売られている。しかし、これらの灯火をLEDランプに安易に交換すると、FMラジオの特定の周波数や、バックモニターなどでノイズが入ったりと、さまざまなクルマの装備に支障をきたすことがある。

 LEDランプの取り付けでノイズが発生する原因は、LEDランプを発光させる駆動部分にある。LEDは12V電圧をそのまま使うことができないため、降圧させなければならない。この時に、省電力で小型軽量のスイッチング式と呼ばれるDC-DCコンバーターが使用されている。

 スイッチング式は、小型などのメリットも大きいが、高速でオンオフを繰り返すため、高周波エネルギーが発生しやすく、これが外部に漏れだしてノイズとなる。そしてこのノイズには、回路を伝わる伝導ノイズと、空気中に放出される放射ノイズの2種類に分けられる。

 そこで、一般にノイズを低減させる方法として、シールドする方法と、フィルタを取り付ける方法が用いられるが、基本的に両方のノイズ対策を取らなければノイズの軽減効果は高く望めないだろう。

 それは、ノイズの元となる部分をアルミなどで覆っても、そこから出ている配線から伝導ノイズが流出し、配線が今度はアンテナとして放射ノイズとなる。また、フィルタの取り付け位置にも注意が必要で、わざわざフィルタを取り付けても、フィルタ前後の配線がアンテナとして働き、空間伝導経路を作るためノイズは完全に消せない。

 そこで、効率的にノイズを消すには、LED駆動部分をシールドして、ノイズキャンセラーを取り付けることだ。そしてLEDランプとノイズキャンセラー本体の間の配線をアルミホイルなどでシールドしてしまえば、ノイズは大幅に軽減できるだろう。

 ただ、ルームランプのような小さなLEDバルブをシールドすることは難しい。ルームランプでノイズが出ると、スマートキーの誤動作も報告されているから厄介である。そこでルームランプなどは、ノイズ対策されたLEDランプを取り付けることをおすすめする。(記事:小泉嘉史・記事一覧を見る

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