あたり取り作業の自動化技術をトンネル現場で実証
配信日時: 2026-03-18 11:15:00



安藤ハザマ(本社:東京都港区、代表取締役社長:国谷 一彦)とコベルコ建機株式会社(本社:東京都品川区、代表取締役社長:山本 明、以下「コベルコ建機」)は、このたび、トンネル切羽におけるあたり取り作業(注1)の自動化技術を開発し、施工中のトンネル現場で実証実験を行いました。
両社は、建設現場の生産性向上および無人化施工による安全確保を目的として、建設機械の自動運転技術に関する共同研究を進めてきました。これまでに、油圧ショベルの自動運転システムを共同開発し、ダンプトラックへの土砂積込み技術を確立しています(注2)。現在、これらの成果を基盤として、油圧ショベルの自動運転システムを応用し、山岳トンネル工事で使用するブレーカーショベルへの適用に取り組んでいます。今回、実トンネル環境においてあたり取り作業の自動化技術の動作検証を行い、自動運転技術実現に向けた第一歩を踏み出しました。
1. 開発の背景
建設業界では自動施工技術による省人化や安全性向上が求められており、国土交通省においても、山岳トンネル工事における施工のオートメーション化に向けた取り組みが開始されています。
山岳トンネル工事では、発破後に生じる切羽岩盤の凸凹に対し、設計断面から飛び出た箇所(あたり)をブレーカーショベルで除去する、あたり取り作業が行われます。従来、この作業は、重機のオペレータと作業員の2名で行いますが、掘削直後に切羽付近で目視確認を行う必要があるため、肌落ち災害のリスクが問題となっています(図1)。
こうした問題を解決するため、安藤ハザマでは2024年に、トンネル切羽のあたり箇所をリアルタイムに把握できる「あたり検知システム」を開発しました(注3)。本システムにより、切羽から離れた位置で確認作業を実施できるようになり、安全性の向上に寄与しています。
このあたり取り作業の施工技術のさらなる高度化に向けて、コベルコ建機が開発中の「自動運転システム」と連携した自動化技術の開発を進めています。
画像1: https://www.atpress.ne.jp/releases/580222/LL_img_580222_1.jpg
図1:従来のあたり取り作業の状況
2. 本技術の概要
本技術は、自動運転システムを搭載したブレーカーショベルに、あたり検知システムを搭載し、これら2つのシステムを連携させることで、あたり取り作業を自動で行います(図2)。
あたり検知システムで取得したブレーカーショベルの自己位置や姿勢、あたり箇所などの情報を、自動運転システムに入力することで、あたり箇所を除去するためのブームとアームの最適な動作経路を自動で算出します。その後、開始操作を行い、所定の順路ではつり動作を実行します。なお、自動運転では走行は行わず、同一位置で旋回とブーム・アーム・アタッチメントを制御することで、あたり取り作業を自動で行うことを可能にします。
画像2: https://www.atpress.ne.jp/releases/580222/LL_img_580222_2.jpg
図2:自動運転試験機
3. トンネル現場での実証実験
本技術の適用性や現場での安定稼働について検証するため、施工中の山岳トンネル現場で実証実験を行いました(図3)。この実験では、これまで難しかった岩盤のあたり箇所を自動で検知し、自動運転システムを搭載したブレーカーショベルであたりを除去する一連の動作を確認しました。
「あたり検知システム」と「自動運転システム」の両システムを連携させ、切羽前に配置した無人のブレーカーショベルに対して後方からタブレットで自動運転指示を行い、一つひとつの動作状況を確認しました。その結果、これまで把握できなかった岩盤を打撃する動作に関する課題が明らかとなり、今後の改良に向けた具体的な検討項目を抽出することができました。また、トンネル特有の限られた作業空間において、自動で動作するブレーカーショベルがトンネル壁面に触れることなく、あたり箇所にチゼル先端(注4)を適切に誘導できることを確認しました。
画像3: https://www.atpress.ne.jp/releases/580222/LL_img_580222_3.jpg
図3:あたり取りの自動運転状況(1)
画像4: https://www.atpress.ne.jp/releases/580222/LL_img_580222_4.jpg
図3:あたり取りの自動運転状況(2)
4. 今後の展開について
今回の実証実験では、あたり取り作業の無人化に向けた重要な成果が得られ、安藤ハザマとコベルコ建機は、これらの成果をもとに、技術検証を重ねていきます。今後は、遠隔化も組み合わせた自動施工技術によるあたり取り作業の安全性向上を目指し、両社は引き続き協力して開発を推進していきます(図4)。
画像5: https://www.atpress.ne.jp/releases/580222/LL_img_580222_5.jpg
図4:あたり取り作業の遠隔・自動化技術の概念図
(注1)あたり取り作業
掘削した切羽の岩盤において、設計掘削断面より内空側に飛び出している岩塊(あたり)部分を除去する作業。
(注2)安藤ハザマ2024年2月29日リリース資料参照
自動運転ショベルの本格展開を視野に、施工中の工事現場で実用性を検証
https://www.ad-hzm.co.jp/info/2024/20240229.php
(注3)安藤ハザマ2024年3月15日リリース資料参照
トンネル切羽の“あたり”をリアルタイムに把握できる「あたり検知システム」を開発
https://www.ad-hzm.co.jp/info/2024/20240315.php
(注4)チゼル先端
ブレーカーショベルの先端工具
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プレスリリース提供元:@Press
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