日本IBM、博報堂プロダクツとAI活用の高度化を加速
配信日時: 2025-12-17 13:00:00
経費精算チェック業務で自動化率90%を実現し、効率化とガバナンス強化を推進
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日本アイ・ビー・エム株式会社(以下、日本IBM)は、株式会社博報堂プロダクツ(以下、博報堂プロダクツ)と共同で、同社のデジタル変革を加速させることを目的に、AIを活用した経費精算チェック業務の自動化に関する実証実験を2025年8月から4か月間実施しました。その結果、経費精算チェック業務の約90%をAIで自動化できることが確認されました。この結果を踏まえ、博報堂プロダクツでは2026年からの段階的な実務導入に向けた社内検討を開始し、業務最適化の実現に向け検討を進めています。
■背景
博報堂プロダクツは、広告・販促・業務支援など、多岐にわたるサービスを展開する総合制作事業会社です。企業・ブランドの信頼性向上に貢献するため、AIを活用して社内のガバナンスや安全性を強化するとともに、業務の生産性向上や最適化を推進しています。すでに広告制作業務では、ビジュアル制作や制作プロセスの改善にAIを取り入れ、高品質な広告向け動画・画像制作にも活用しています。一方、経費精算チェック業務は、ガバナンス強化のため多段階の確認プロセスを設けており、その結果、業務が複雑化していました。さらに、毎月膨大な件数の申請を扱う必要があることから、担当者の業務負荷が高まり、確認作業の統一化にも課題が生じていました。
■実証実験の概要
こうした課題の解決に対し、日本IBMは、博報堂プロダクツに対し、業務の一部をAIで効率化する「+AI(プラスAI)」を超え、AIを前提にビジネス全体を再設計し、変革する「AI+(AIファースト)」のアプローチを提案しました。この「AI+」は、これまでの「AIが業務や人を支援する」という考え方から、「AIを中心に据えて業務プロセスを抜本的に変革し、AIと人が協働して価値を最大化する」という発想に基づくものです。IBMが掲げるこのアプローチは、単なる効率化にとどまらず、AIを中心に据えたビジネスモデルの再構築を可能にする考え方です。これにより、未来志向の成長戦略の実現を後押しします。
実証実験では、両社が協働し、経費精算チェック業務を含む業務プロセスの抜本的な見直しを図り、チェック項目の手順を整理することで、手順書の一元化を実施しました。その上で、AIに経費精算の手順書や証憑・申請の実データを読み込ませ、申請内容と社内規定との整合性を自律的に判断する仕組みを構築しました。これにより、AIが申請内容の不備や規定違反を自動で検知し、経費精算システムの「SAP Concur」と連携して承認・差し戻しまで行うことを可能にしました。
【具体的な成果】
- 大幅な工数削減:人による一次チェックをAIが代替することで、担当者はイレギュラー案件や高額申請など、より高度な判断が求められる業務に集中できることが実証されました。これにより、経費精算チェック業務全体の工数を90%以上削減できました。
- チェック精度の高さ:AIによるチェック精度は90%以上を記録しました。人と同等以上の精度で安定した運用が可能であることを確認しました。
- ガバナンスの強化:従来、チェック項目の確認は人の目視で行われていましたが、自動的にAIが検証することで、属人的な判断を回避し、チェック・レベルの標準化、高度化を実現しました。これにより、判断基準のばらつきが解消され、全社的なガバナンスの強化につながりました。
■展望
博報堂プロダクツは、本件のようにAIによる効率化と高付加価値化の両軸を企業戦略レベルで推進し、先進的な取り組みを進めており、バックオフィス領域でもAI活用の範囲拡大を視野に入れ、全社的な生産性向上と業務最適化、ガバナンス強化を両立する業務改革を加速しています。この領域において、日本IBMは、AIと人が協働する新しい業務プロセスの設計から導入、定着までを並走し、博報堂プロダクツのAI活用をさらに高度化しました。今回、経費精算チェック業務で自動化率90%を達成した取り組みを皮切りに、両社は効率化と高付加価値化を両立する業務改革を共創し、AI活用の範囲を全社的に広げていくことを目指します。
参照:経理財務コンサルティング・サービスhttps://www.ibm.com/jp-ja/consulting/finance
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