パナソニック、AI需要で過去最高益へ―配当75%増の70円、920億円投資も

2026年11月4日 23:22

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パナソニック ホールディングス(6752)は10月30日、2027年3月期の年間配当予想を過去最高となる前期比75%増の70円に引き上げた。(Mr.ちゅらさん, CC BY-SA 4.0, via Wikimedia Commons)

パナソニック ホールディングス(6752)は10月30日、2027年3月期の年間配当予想を過去最高となる前期比75%増の70円に引き上げた。(Mr.ちゅらさん, CC BY-SA 4.0, via Wikimedia Commons)[写真拡大]

 パナソニック ホールディングス(6752)は10月30日、2027年3月期の年間配当予想を過去最高となる前期比75%増の70円に引き上げた。

 同日、グループ会社のパナソニック インダストリーも、AI関連事業に約920億円を投資すると発表した。AI向け製品の需要拡大を背景に、業績の上方修正と大型投資を進める。

■年間配当75%増へ 業績予想も大幅上方修正

 パナソニックHDが大幅増配を見込む背景には、AI関連事業の成長や収益改善がある。

 2027年3月期の年間配当予想は、従来の54円から70円に引き上げた。前期実績の40円と比べると30円増え、増配率は75%となる。

 同時に、通期予想として売上高を7兆8,000億円から8兆4,000億円、営業利益を6,500億円から前期比3倍の7,100億円、最終利益予想を4,500億円から前期比2.8倍の5,400億円へ上方修正した。営業利益と最終利益はいずれも過去最高を更新する見込み。

 ただし、前期は1,745億円の構造改革費用を計上しており、その反動も増益の大きな要因となっている。

 今回の上方修正には、AI向けデータセンターで使われる蓄電システムや電子部品の販売拡大に加え、円安や米国関税の還付も寄与した。一方で、銅や樹脂などの原材料価格の高騰は利益を押し下げている。

 同社は利益の約30%を配当に回すことを目安としており、業績予想の引き上げを受けて、配当予想も引き上げた。

■AI関連に約920億円を投資 生産能力を大幅拡大へ

 パナソニック インダストリーは、拡大するAI需要に対応するため、部品や材料の生産能力を強化する。

 投資額のうち約670億円は、中国とタイの工場に充てられる。増産するのは、AIサーバーで大量のデータを高速にやり取りするために使われる基板材料だ。

 さらに約170億円を京都府とインドネシアの工場に投じ、電力を安定して供給する電子部品「コンデンサ」を増産する。残る約80億円は、三重県の四日市南工場に新設する半導体向け材料の研究開発施設に充てる。

 積極的な投資の背景には、AI関連製品の販売拡大がある。

 同社のAI関連事業は、7~9月期の売上高が886億円となり、前年同期の約1.6倍に増加。年間売上高の見通しも3,100億円から3,600億円に引き上げた。ただし、上方修正した500億円のうち約200億円は為替の影響によるものだ。

 多層基板材料の生産体制強化のため、中国・蘇州工場の第2期新棟を2028年8月、タイ・アユタヤ工場の第2期新棟を2029年4月に稼働する予定。今後のAI需要拡大を見据え、供給体制を整える。(記事:中村葵・記事一覧を見る)

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