Rocket Lab、Neutronの初打ち上げを2027年に延期 推進剤タンクのドームに空隙

(Rocket Lab/YouTube)[写真拡大]
Rocket Labは10月14日、開発中の中型ロケットNeutron(ニュートロン)の初打ち上げを2027年に見込むと発表した。第1段の推進剤タンク用ドームを製造する工程で不具合が見つかり、製造と試験の日程を見直した。新しいドームの製造に加え、タンクやエンジンの認定試験が初飛行までの課題となる。
■前部ドームの炭素繊維層に空隙
Rocket Labの創業者兼最高経営責任者(CEO)ピーター・ベック氏によると、硬化を終えた第1段タンクの前部ドームを検査した際、炭素繊維の層間に空隙が見つかった。こうした空隙は複合材の強度や耐久性に影響し、機体に求められる構造上の余裕を小さくする可能性がある。同社は調査のため製造を止めた。
同社は製造工程を変更し、新しい手順で作った後部ドームが検査を通過したとしている。今後は同じ手順で前部ドームを作り直し、検査したうえで第1段タンクの試験を進める。ベック氏は、必要な構造上の余裕を確保してから開発を先へ進める方針を示した。
Rocket Labが2021年にNeutronの計画を発表した当初、初打ち上げ目標は2024年だった。その後も日程は改められ、2026年8月時点には同年第4四半期に機体を発射台へ運ぶことを目指していた。今回の発表では、初飛行の見通しが2027年に変わった。
■1月のタンク破裂を受けた設計変更
Neutronでは2026年1月、第1段タンクが水を使った耐圧試験中に破裂した。Rocket Labは、タンクの重要な接合部にあった製造上の欠陥が原因と説明している。このタンクは、自動で炭素繊維を配置する装置の導入が進む間、外部の請負業者が手作業で積層して製造したものだった。
同社はその後、接合部を減らし、一部の複合材を厚くする設計変更を行った。今回の空隙は、その厚くした部分で生じたという。構造を強化する変更に合わせて、大型部品の製造条件も調整する必要が生じた形だ。
炭素複合材は軽量で強度が高く、耐食性もあるため、ロケットの質量を抑えるうえで有用だ。一方、大きな部品では繊維の配置や樹脂の硬化を均一に管理することが難しくなる。ベック氏によると、Neutronのドームは従来型のオートクレーブに収まらない規模で、同社は装置外で硬化させるための工程を開発してきた。
■Electronより大きな打ち上げ能力
Neutronは、Rocket Labが運用する小型ロケットElectron(エレクトロン)より大きな衛星を運ぶために設計されている。同社公表の仕様では、Electronは直径1.2メートルで低軌道への投入能力が最大300キログラム、Neutronは直径7メートルで最大1万3000キログラムだ。Neutronは衛星群の配備や政府向けミッションなどを想定する。
Neutronの第1段には、貝殻のように開閉するペイロードフェアリング「Hungry Hippo」が取り付けられる。飛行中にフェアリングを開いて第2段と搭載物を放出し、再び閉じた後、第1段と一体で帰還する設計だ。Rocket Labは第1段とフェアリングの回収・再使用によって、打ち上げ運用の効率を高めることを目指している。
同社は第2段とフェアリングの認定試験を終えた一方、第1段の認定やArchimedes(アルキメデス)エンジンの認定を進めている。第1段には液体酸素とメタンを使う同エンジンを9基搭載する計画だ。機体を組み立てた後には、バージニア州ワロップス島の発射場で燃料充填、打ち上げ手順の確認、静的燃焼などの試験が控える。
■商業・政府向け事業への影響
Rocket LabはNeutronで、Electronより重い衛星や宇宙機の打ち上げ需要に応えようとしている。2026年8月には、米宇宙軍向けの衛星を製造し、Neutronで打ち上げて運用する契約を発表した。商業向けにもNeutronによる複数回の打ち上げ契約を公表している。
中型以上の打ち上げ市場ではSpaceXがサービスを提供し、Firefly Aerospace、Relativity Space、Stoke Spaceも新型ロケットの開発を進める。Neutronの競争力には搭載能力に加え、飛行の信頼性、打ち上げ頻度、価格、第1段の回収・再使用を実現できるかが関わる。
Rocket Labは、改良した前部ドームを用いるタンクの試験と、機体全体の認定を続ける。初飛行に向けては、製造工程で得られた改善を実機と発射場での試験に反映させることが次の節目となる。
元記事: Rocket Lab Delays Neutron Rocket Launch to 2027 After Carbon Fiber Manufacturing Issue
※この記事はTech Timesから提供を受けた記事を日本向けに翻訳・編集したものです。
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