『サイバーパンク: エッジランナーズ2』ロマンのカメラが映す、ブレインダンス時代のナイトシティ

(Netflix.com)[写真拡大]
『サイバーパンク: エッジランナーズ2』が2026年10月20日からNetflixで独占配信される。全10話の新作では、かつて名を馳せたウィーク、復讐を追うD、映画好きの少年ロマン、メイルストロームの文化に傾倒するタリアの物語が交差する。カメラを手に他人の人生を撮るロマンは、ブレインダンスが映画に代わる娯楽となったナイトシティで、何を記録しようとしているのか。
■ブレインダンスの街でカメラを持つ少年
CD PROJEKT REDの日本語公式サイトは、ロマンを「嘘偽りのない真実をフィルムに収めるべく、カメラを手に他人の人生を撮り続けている」少年と紹介する。一方で、ナイトシティでは銀幕が衰退し、ブレインダンスが主役の座に就いている。映画への愛着と街の娯楽の変化が、ロマンの人物像に組み込まれている。
ブレインダンスは、記録した人の感覚を別の人が追体験できるという『サイバーパンク2077』の技術だ。ゲームの制作に携わった開発者はACM SIGGRAPHの取材で、記録された感覚信号を再生し、他者が追体験する仕組みだと説明している。ゲーム内では映像、音声、熱の情報を調べ、記録者の視点から離れて周囲を見渡す場面もある。
撮影者が画面に収める範囲を選ぶ映画や写真に対し、ブレインダンスは記録された感覚を鑑賞の中心に置く。ただ、どちらにも撮影や記録、編集という過程がある。ロマンのカメラに注目すると、「その場にいた人の体験を追うこと」と「誰かが選んだ映像を通して出来事を見ること」の違いが、新作を読む手掛かりになる。
■ロマンのレンズと4人の物語
公式紹介によると、ロマンは他人の人生を追ううちに、ナイトシティの物語が残酷で、きれいな結末を迎えるとは限らないことを知る。レンズは出来事を収めると同時に、ロマンが誰を追い、何を残すかを選ぶ道具でもある。その選択が周囲の人々をどう映し出すかは、公式の作品紹介にも掲げられた主題だ。
ウィークは、かつて「キング」と呼ばれたエッジランナーで、今はクロームと力を失い、存在意義を探している。Dはスネーク族出身のノーマッドで、クランを壊滅させた犯人への復讐を追う。タリアは企業社会に生まれ、暴力と身体改造に傾倒するメイルストロームの文化に身を置く少女だ。
4人は、それぞれ異なる立場からナイトシティを生きる。ロマンが彼らにカメラを向けるという設定は、危険な出来事そのものに加え、誰の経験が記録され、どの視点から語られるかにも目を向けさせる。4人を主人公とする群像劇だと伝えた4Gamerの第1話試写会レポートでは、ロマンがDやタリアと出会う様子も紹介された。
■映画と追体験を考える補助線
哲学者ヴァルター・ベンヤミンは、複製技術と芸術の関係を論じ、「アウラ」という概念を用いて作品の一回限りの存在を考えた。2026年に刊行されたイーライ・ザレツキーの研究も、その議論を伝統や儀礼との関係から取り上げている。ロマンのフィルムへのこだわりは、映像を残し、後から別の人が見るという映画の営みを考える補助線になる。
カメラで撮った映像には、撮影した位置や画角、その場で選ばれた対象が残る。見る側は、その記録を手掛かりに出来事を読み取り、別の解釈を重ねられる。ブレインダンスは感覚の追体験を前面に出すが、ゲーム内には記録を調べ直す操作や編集も存在する。両者を並べることで、ロマンがどんな視点を作品として残そうとするのかが際立つ。
■脳と機器をつなぐ現実の研究
現実のブレイン・コンピューター・インターフェース(BCI)にも、脳活動を読み取り、機器の出力に変換するという共通構造がある。Neuralinkは、発話が難しい人のコミュニケーション回復を目指す臨床試験「VOICE」を進めている。同社が公開した映像では、筋萎縮性側索硬化症(ALS)のケネス・ショックが、脳インプラントを使った音声出力を披露した。
発話に関するBCIはNeuralink以外でも研究されている。2023年に『Nature』で発表された研究では、発話を試みたときの脳活動から文字や合成音声、アバターの動きを出力した。ここで作品と重ねられるのは、神経活動を読み取り、別の形で人に届けるという情報処理の流れだ。
脳内に置く電極については、周囲の組織に生じる反応も研究課題となっている。査読付きの研究や総説では、電極の周囲にグリア細胞が集まり、信号の取得に影響し得ることが報告されている。身体と技術の接点を強調するアニメの映像には、こうした研究をイメージの補助線として重ねられる。
■新たな制作陣と音楽
制作はCD PROJEKT REDとTRIGGER。監督は前作にも参加した五十嵐海、リードキャラクターデザイナーは菅野一期が務め、脚本には大塚雅彦とバルトシュ・シュティボルが続投する。日本語版ではロマンを寺澤百花、ウィークを利根健太朗、Dを内山昂輝、タリアを鬼頭明里が演じる。
4Gamerが報じた試写会の舞台挨拶では、大塚は映画好きだった自身の姿をロマンに投影したと語ったという。五十嵐は、前作とは異なる絵作りを目指し、1990年代のアニメを思わせる表現を取り入れたと説明した。ロマンの映画への思いは、物語だけでなく、新作の画面作りにも目を向けるきっかけになる。
オープニング曲にはThe Cureの「10:15 Saturday Night」、エンディング曲にはPetite Mellerの「Watson」が使われる。前作『サイバーパンク: エッジランナーズ』は2023年のCrunchyroll Anime Awardsでアニメ・オブ・ザ・イヤーを受賞し、Netflixで配信されている。新作は登場人物を一新し、10月20日からナイトシティの別の物語を描く。
元記事: Cyberpunk: Edgerunners 2 New Teaser: Night City Has Replaced Cinema With Brain Recordings
※この記事はTech Timesから提供を受けた記事を日本向けに翻訳・編集したものです。
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