Apple Watch Ultra 4、心拍センサー刷新と「オーディオインテリジェンス」が柱

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Appleは9月9日、Apple Watch Ultra 4を発表した。日本では同日から予約注文を受け付けており、9月18日に発売する。価格は14万2800円(税込)から。新しいヘルスセンシングシステムによる高頻度の心拍計測と心拍変動(HRV)の測定、毎日の身体状態を示す「準備度」、プライバシーに配慮した「オーディオインテリジェンス」が主な新機能となる。
オーディオインテリジェンスのうち、会話を振り返る「Live Rewind」と「Siri Recap」は2026年後半に英語からベータ提供される予定だ。日本語への対応時期は明らかになっていない。
■心拍数を5秒ごとに測定する新センサー
Apple Watch Ultra 4は、光学式心拍センサーと電気心拍センサーを刷新した「ヘルスセンシングシステム」を搭載する。より大きく、電力効率に優れたグリーンLEDを採用し、バックグラウンドで心拍数を一日中5秒ごとに測定する。
Appleによると、1,000人を超える多様な参加者を対象に、主要なウェアラブルデバイスと心拍測定の精度を比較したところ、新しいApple Watchが比較対象の中で最も高い精度を示したという。これはAppleが実施した検証結果であり、Ultra 4の実機を使った第三者による独立検証は今後の評価を待つ必要がある。
心拍変動(HRV)の測定頻度も、従来モデルの最大24倍になる。Apple Watch Ultra 4では、HRVを5分おきに測定でき、心拍数アプリやバイタルアプリを通じて、ストレスや回復状態の変化を把握しやすくする。
HRVは、心拍と心拍の間隔がどの程度変動しているかを表す指標だ。値は運動、睡眠、ストレス、体調、測定条件などさまざまな要因の影響を受けるため、単独の数値で健康状態を診断するものではなく、個人の通常時の傾向と比較して変化を捉える用途に適している。
■回復時HRVと全体的HRVを表示
Apple Watch Ultra 4は、「回復時HRV」と「全体的HRV」という2種類の指標を提供する。回復時HRVは、日々のストレスや回復の兆候を把握するための指標として使われる。全体的HRVは、心血管系を含む、より広い健康状態を長期的に理解するための情報となる。
この区分は、短時間の拍動間隔の変化と、より長い時間幅で見た変動を異なる観点から扱う心拍変動研究の考え方に通じる。ただし、Appleは両指標の算出方法を一般向け資料で詳細には示しておらず、特定の臨床指標と完全に同一とみなすことはできない。
より高頻度で得られる心拍数とHRVのデータは、日中のバイタル表示にも使われる。利用者は夜間と日中の指標を切り替え、睡眠中の回復状態だけでなく、活動中の変化も確認できる。
■一日の身体状態を示す「準備度」
新機能の「準備度」は、最近のアクティビティ、トレーニング負荷、バイタル、睡眠スコアを分析し、その日の身体状態を0から10までの数値で示す。
結果は「休養」「無理せずに」「準備完了」「絶好調」の4段階でも表示される。スコアは朝に固定されるのではなく、昼寝や運動など、その後に得られたデータに応じて一日のうちに更新される。
Appleは、準備度の開発に「Apple Heart and Movement Study」などから得られた知見を活用したとしている。同研究はBrigham and Women’s Hospital、American Heart Association、Appleが共同で実施した大規模な縦断研究で、Apple WatchとiPhoneから得られる活動、心拍、移動性などのデータと健康状態との関係を調べてきた。
研究の設計と方法は査読付き学術誌「npj Digital Medicine」で公表されている。研究には米国全土から25万人を超える参加者が登録し、データ収集は2025年2月末に終了した。
■音声を隔離領域で処理する新機能
S11チップは、新しい「オーディオインテリジェンス」にも使われる。この機能群には、重要な音を検知する「サウンド認識」、周囲で流れている曲を特定するShazamの音楽認識、直前の発言を確認できる「Live Rewind」、会話の要点をまとめる「Siri Recap」が含まれる。
音声データは、S11チップ内のハードウェア隔離領域「Secure Exclave」に設けられた保護バッファへ送られ、文字への変換などが行われる。Appleの説明では、OS、アプリ、利用者、Appleのいずれも、この領域で処理される元の音声にはアクセスできず、音声データは処理後に削除される。
Live Rewindは、Digital Crownを2回押すと、直前15秒間に話された内容をテキスト断片として画面に表示する。表示されたテキストは、そのまま保存したり、内容についてSiriに質問したりできる。保存しなかったテキストは、画面が暗くなってから約30秒後に削除される。
Siri Recapは、利用者が指定した時間や場所で会話の要点をまとめ、後から確認できる短い要約を作成する機能だ。詳細な逐語録を作るのではなく、会話を振り返るための簡潔なメモを生成する。保存しなかった要約は7日後に自動削除される。
いずれの機能も利用者が明示的に有効にする必要がある。Siri Recapは時間や場所に応じた動作スケジュールを設定でき、コントロールセンターからいつでも停止できる。
■要約処理の一部にはPrivate Cloud Computeを使用
Live Rewindの音声からテキストへの変換は端末内で行われる。Siri Recapでは、Secure Exclave内で音声をテキストに変換した後、要約と整形のためにAppleのPrivate Cloud Compute上で動作するモデルを利用する。
Appleによると、Private Cloud Computeへ送られたデータはリクエストの処理にのみ使われ、Appleを含む第三者が保存したりアクセスしたりすることはできない。保存した要約やLive Rewindのテキストは、iCloudで同期する際にエンドツーエンドで暗号化される。
Live RewindとSiri Recapは2026年後半に英語からベータ提供される。Appleは、一部のサーバー側モデルを使う機能には利用回数の制限が適用される場合があるとしている。
サイレン、警報、ドアベルなどの重要な音を検知するサウンド認識は、聴覚に障害のある利用者を支援する機能として提供される。iPhoneが近くになくても、検知した音をApple Watchで通知できる。
■最大50時間のバッテリー駆動
Apple Watch Ultra 4の通常使用時のバッテリー駆動時間は最大50時間で、低電力モードでは最大84時間となる。屋外ワークアウトを記録する「Max Extended Workout」では、最大45時間の記録が可能だ。
高速充電にも対応し、15分の充電で最大18時間使用できる。バッテリーを0%から80%まで充電する時間の目安は約45分となっている。
ケースは従来と同じ49mmのチタニウム製で、ナチュラルとブラックの2種類を用意する。100メートルの耐水性能とIP6X等級の防塵性能を備え、水深40メートルまでのレクリエーショナルスキューバダイビングや高速ウォータースポーツにも対応する。
高精度2周波GPSに加え、モバイル通信と衛星通信にも対応する。Digital Crownとカスタマイズ可能なアクションボタンも引き続き搭載する。
■歩数と屋内での距離測定も改良
Appleは、Apple Watch Ultra 4の歩数計測と移動距離の算出も改良した。新しいモーション追跡アルゴリズムにより、一日を通じた歩数と距離に加え、トレッドミルを使ったランニングやウォーキングの距離を、従来より正確に測定するとしている。
歩数は文字盤上でも確認できる。Appleは1,000歩の歩行を動画で数えた結果と照合する試験を実施しているが、歩数計測についても、具体的な精度は歩き方や装着状態などの条件によって変わり得る。
■ヘルスケアアプリに「長寿」と「インサイト」
iPhone向けのヘルスケアアプリも2026年後半に刷新される予定だ。新たに「長寿」と「インサイト」のタブを設け、Apple Intelligenceを使って健康データを整理する。
長寿タブでは、最大酸素摂取量、睡眠、安静時心拍数などの指標を同年代の集団と比較し、「健康年齢」として表示する。生活習慣が健康年齢にどのような影響を与えているかを確認し、改善に向けた提案を受けられる。
インサイトタブは、心臓、睡眠、準備度、フィットネス、周期記録などのデータを横断的に分析し、変化や傾向を自然な文章で提示する。刷新版はまず米国英語で提供され、日本での提供時期や機能の範囲は明らかになっていない。
■watchOS 27は日本で9月15日提供
watchOS 27は、日本では9月15日に提供を開始する。Apple Intelligenceを利用する新しい「Siri AI」、利用頻度などに応じてアプリを並べる動的なアプリグリッド、片手でスマートスタックのウィジェットを選べるシングルタップジェスチャーなどを追加する。
Siri AIは英語から提供を始め、日本語には2026年内に対応する予定だ。利用できる機能は言語、地域、Apple Watchと組み合わせるiPhoneの機種によって異なる。
発表前に取り沙汰されていた非侵襲血糖測定は、Apple Watch Ultra 4の機能として発表されていない。一方、従来モデルから提供されている高血圧の可能性を知らせる通知、心電図、睡眠時無呼吸の通知などの健康機能は引き続き利用できる。
■心拍精度は今後の独立検証が焦点
Apple Watchの健康指標を検証した既存研究では、心拍数の測定は全体として良好な精度を示す一方、測定条件や運動強度、利用者の生理的特徴によって結果が変わることが報告されている。
82件の研究、計43万52人分のデータを分析した「npj Digital Medicine」の系統的レビューとメタ分析では、Apple Watchの心拍数には平均すると小さな過小評価がみられたものの、測定値のばらつきは一定程度存在した。睡眠と歩数の精度は中程度で、エネルギー消費量の推定誤差は研究によって大きく異なっていた。
このレビューは2025年9月までに公表された研究を対象としているため、Apple Watch Ultra 4の新しいヘルスセンシングシステムは含まれていない。5秒ごとの測定や新センサーが、高強度の運動を含む実際の使用環境でどの程度の精度を示すかは、発売後の独立研究が重要になる。
■日本価格は14万2800円から
Apple Watch Ultra 4は、日本では9月18日に発売され、価格は14万2800円(税込)からとなる。ナチュラルチタニウムとブラックチタニウムのケースを用意し、アルパインループ、トレイルループ、オーシャンバンドなどを組み合わせられる。
チタニウムミラネーゼループとの組み合わせは15万9800円(税込)から。Apple Watch Hermès Ultra 4も展開し、価格は25万1800円(税込)からとなる。
■購入(予約)情報(Amazon.co.jp)

Apple Watch Ultra 4(GPS + Cellularモデル)
価格:¥159,800(9月11日時点)
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元記事: Apple Watch Ultra 4 Debuts Ring Sensor Array and Wrist-Based Audio Privacy Chip
※この記事はTech Timesから提供を受けた記事を日本向けに翻訳・編集したものです。
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