(米国)プライベートエクイティの運用成績がS&P500に見劣り―高コストと換金制約が重荷

2026年9月5日 19:00

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記事提供元:International Business Times

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 富裕層などに投資家を限定し、上場市場では得られない投資機会を提供するとされてきた米国のプライベートエクイティ(PE)の運用成績が、近年はS&P500種株価指数を大きく下回っている。高い手数料や低い流動性に加え、金利上昇に伴う借入コストの増加が重荷となっている。

 CNBCが報じたケンブリッジ・アソシエイツのデータによると、約1800本のファンドで構成するプライベートエクイティ指数は、2026年3月までの3年間で年率7.4%、5年間で同9.3%のリターンとなった。いずれも手数料控除後である。

 これに対し、S&P500に連動する投資のリターンは、同じ期間で3年間が年率18.3%、5年間が同12%だった。投資家はこの期間、低コストのS&P500連動型インデックスファンドを保有することで、PEファンドを上回る運用成績を得られたことになる。

 PEファンドは一般に、米証券取引委員会(SEC)が定める「適格投資家」向けに提供される。個人の場合、主な金融基準は、主たる住居を除く純資産が単独または配偶者などとの合算で100万ドルを超えること、または過去2年間の個人所得が各年20万ドルを超え、当年も同水準が見込まれることなどである。配偶者などとの合算所得を用いる場合の基準は30万ドルを超えることとなっている。

 一方、足元の低迷だけでPEが長期的にも一貫して公開株市場を下回ってきたとはいえない。ケンブリッジ・アソシエイツの米国PE指数は、2025年末までの25年間で年率12.4%のリターンを上げた。比較対象として同社が算出したS&P500の修正公開市場相当指標は同10.0%だった。

 非公開市場には、上場前の企業に早い段階で投資したり、借り入れを活用して企業を買収したりするなど、公開市場では得にくい投資機会がある。若い企業の成長による恩恵を受けられる可能性もある。

 オールスプリング・グローバル・インベストメンツの最高投資責任者(CIO)、ジョン・バランコはCNBCに対し、「企業が市場に出てくるころには、その大半がかなり成熟している」と述べた。非公開資産の運用成績は、上場株や債券とは異なる要因に左右される場合があり、ポートフォリオの分散にもつながり得る。

 ただし、こうした利点には大きな制約も伴う。上場株や上場投資信託(ETF)は通常、比較的容易に売却できる。これに対し、PEファンドは長期の保有期間を設定したり、資金の引き出しを制限したりすることがあり、投資資金が数年間にわたって拘束される可能性がある。

 コストも重要な問題である。従来型のPEファンドでは、年間約2%の運用管理手数料に加え、一定の基準を超えた利益の約20%を成功報酬として徴収する料金体系が広く用いられてきた。資産運用会社ウィロー・ウェルスの最高経営責任者(CEO)、ミッチェル・キャプランはCNBCに対し、成功報酬は低下傾向にあり、15%とするケースが増えていると説明した。

 それでもPEファンドのコストはインデックスETFを大幅に上回る。モーニングスター・ダイレクトによると、パッシブ運用ETFの平均経費率は2025年末時点で0.14%だった。

 金利上昇もPEにとって逆風となった。PEファンドは企業買収に債務を活用することが多く、低金利が長く続いた時期には安価な資金調達の恩恵を大きく受けていた。

 オールスプリングの分析によると、短期金利が一貫して低水準にあった2012年10月から2022年9月まで、非公開市場への投資は公開市場を大幅に上回った。しかし、借入コストが上昇すると、この優位性は逆転した。2022年10月から2026年3月まででは、ブルームバーグのPE指数のリターンがS&P500を18ポイント下回った。

 バランコは「2022年に金利が上昇すると、状況が逆転した」と述べた。

 PEを巡る議論は、一般の退職資金の運用者にとっても重要性を増している。ドナルド・トランプ米大統領は2025年8月、401(k)などの確定拠出年金を通じ、非公開市場資産を含む代替資産への投資機会を広げるための大統領令に署名した。

 これを受け、米労働省は2026年3月、401(k)などの運用商品に代替資産を組み入れる際の受託者責任について、手続きに基づくセーフハーバーを設ける規則案を公表した。規則案はPE投資を義務付けるものではないが、年金制度の受託者が代替資産を含む運用商品を選定する際の規制上の不確実性や訴訟リスクを軽減する狙いがある。

※この記事はInternational Business Timesから提供を受けた記事を日本向けに翻訳・編集したものです。

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