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Telegramが「.gram」を申請 10億人規模のユーザー名をWebアドレスにする構想

(Telegram.org)[写真拡大]
Telegramは、ICANNの「新gTLDプログラム:2026年ラウンド」で、独自のトップレベルドメイン「.gram」を申請した。創業者兼CEOのパヴェル・ドゥーロフが2026年8月18日に明らかにした。
ドゥーロフによると、申請が承認されれば、Telegramの10億人を超えるユーザーが「ユーザー名.gram」形式のWebアドレスを利用できる可能性がある。自然言語で指示するだけで、TelegramがホストするインタラクティブなWebサイトを作成できる構想も示している。
「durov.gram」のようなアドレスはDNS上のセカンドレベルドメインに当たり、厳密には「サブドメイン」ではない。一方、一般的なドメイン登録サービスと同様にユーザーが自由に取得、更新、移管できるかどうかは、Telegramが今後定める登録方針や利用規約によって決まる。現時点では、割り当て条件、料金、移管の可否、アカウント停止時の扱いなどは公表されていない。
■ICANNの2026年ラウンドに申請
ICANNは2026年8月12日23時59分(協定世界時)、新gTLDの申請受付を終了した。4月30日に始まった15週間の受付期間中に、1,600件を超える第一希望の文字列が申請された。うち1,100件を超える申請には、第一希望が競合した場合などに使用できる代替文字列も設定されている。
最終件数は、申請者による審査費用の支払いとICANNの事務確認が終わるまで確定しない。ICANNは、特段の事情がない限り、受付終了から9週間以内に事務確認を通過した申請の公開部分を公表する方針だ。正式な公開日とその後の予定は2026年9月中旬に発表される見込みである。
公開時には、申請された文字列、申請者、申請の種類、競合の可能性などが明らかになる。Telegram自身が申請を公表したことで申請の存在は確認できたが、審査の通過や「.gram」の委任が保証されたわけではない。
新gTLDの基本審査費用は、1文字列につき22万7,000ドル、1ドル160円換算で約3,632万円となる。申請者には、財務面や運用面の審査に加え、技術評価を受けたレジストリサービスプロバイダーを使用することも求められる。
ドメイン業界媒体Domain Name Wireによると、TelegramはUnstoppable Domainsをレジストリサービスプロバイダーとして利用する予定だという。また、Link Freedom Groupも第一希望または代替文字列として「.gram」を申請したと公表しており、ICANNの確認後に競合関係が成立する可能性がある。
■「ユーザー名.gram」はセカンドレベルドメイン
「.gram」がDNSルートに追加されれば、Telegramはそのトップレベルドメインを運営するレジストリ事業者となる。レジストリは、トップレベルドメイン以下に登録されたドメイン名のデータベースを管理し、DNS、登録データ提供、セキュリティー対策などを担う。
例えば「durov.gram」では、「gram」がトップレベルドメイン、「durov」がセカンドレベルに当たる。「durov.gram」の下に「blog.durov.gram」を設けた場合、この「blog」がサブドメインとなる。このため、ユーザー名に直接「.gram」を付けたアドレスを一律にサブドメインと呼ぶのは正確ではない。
ただし、DNS上の階層と、利用者が持つ契約上の権利は別の問題である。通常のドメインでは、登録者がレジストラを通じて登録し、更新や他社への移管を行う。これに対してTelegramがユーザー名と自動的にひも付ける方式を採用した場合、利用の継続や割り当てはTelegramアカウントと同社の規約に依存する可能性がある。
Telegramは、ユーザーが「.gram」の正式な登録者になるのか、利用権のみを受け取るのかを明らかにしていない。外部レジストラを利用できるか、ドメインを別の事業者へ移管できるか、アカウントを削除した後も維持できるかといった条件も未発表だ。一般的なドメインと同等の権利を想定するのではなく、今後示される登録方針を確認する必要がある。
■ブランドTLDになるかは登録モデル次第
企業名や商標を使用するトップレベルドメインには、「.google」や「.microsoft」のようなブランドTLDがある。ICANNのSpecification 13が適用されるブランドTLDでは、レジストリ事業者、その関連会社、または商標のライセンシーだけがドメイン名の登録者になれる。
Telegramが一般ユーザーを独立した登録者として扱う場合、このブランドTLDの条件とは整合しない可能性がある。一方、Telegram自身が登録者となり、ユーザーにはWebアドレスの利用機能だけを提供する設計であれば、閉じた名前空間として運営する余地がある。
したがって、「.gram」がブランドTLDとして申請されたと現時点で断定することはできない。申請の種類や登録方針は、ICANNが申請内容を公開した後に確認できる。
■t.me停止で表面化した外部レジストリへの依存
Telegramが独自TLDを申請した背景として注目されるのが、2026年7月13日に発生した「t.me」の停止だ。t.meにはレジストリ側が設定するEPPステータス「serverHold」が適用され、Telegramのユーザー、チャンネル、Botなどに接続するリンクがDNSで名前解決できなくなった。
.meレジストリは、米財務省外国資産管理局の制裁への対応が理由だったと説明した。制裁対象となったVPNサービスの連絡先にt.meのURLが記載されていたことが発端とされる。Telegramアプリのメッセージ機能そのものではなく、t.meを利用したリンクが影響を受けた。
serverHoldはレジストリ側が設定するため、ドメインの登録者であるTelegramが単独で解除できるものではない。ドゥーロフは停止中、.meレジストリに対して調査を求める投稿を行った。その後、t.meの名前解決は復旧した。
独自TLDを運営すれば、Telegramは「.gram」以下のDNSと登録情報を管理する立場になる。外部のトップレベルドメインに依存せず、自社サービスに合わせた名前空間を設計できることは、今回の構想の大きな利点となる。
一方、レジストリ事業者にはICANNとの契約に基づくDNS悪用対策や登録データサービスなどの義務が生じる。独自TLDは外部依存を減らす手段であると同時に、インターネット基盤の一部を継続的に管理する責任を伴う。
■AIでWebサイトを作る構想
ドゥーロフが示した構想では、ユーザーはTelegram内でプロンプトを入力し、インタラクティブなWebサイトを作成できるという。WebサイトはTelegramがホストし、ユーザー名に対応する「.gram」アドレスからアクセスできるようにする。
仕組みの詳細や使用するAIモデルは発表されていない。生成できるコンテンツの種類、編集機能、独自データのアップロード、外部サービスとの接続、料金体系なども不明である。
Telegramは2025年、xAIのAIアシスタント「Grok」をアプリへ統合する1年間の提携を発表した。発表時の条件では、Telegramは現金と株式を合わせて3億ドル、1ドル160円換算で約480億円を受け取るほか、アプリ内で販売されるxAIのサブスクリプション収入の50%を受け取るとしていた。
ただし、「.gram」のWebサイト作成機能にGrokを採用するとは発表されていない。既存のAI連携は構想を読み解く手掛かりになるものの、具体的な技術構成は今後の説明を待つ必要がある。
■審査と競合解決を経て運用へ
ICANNが申請内容を公開した後は、一般からのコメント、正式な異議申し立て、文字列の類似性、技術・財務・運用能力などに関する審査が進む。同一または混同を招くほど類似した文字列に複数の申請者が存在すれば、競合関係の解決も必要になる。
2026年ラウンドでは、申請者同士が非公開の金銭取引によって競合を解消する方式は禁止されている。競合が解消しない場合は、コミュニティ優先評価やICANNが実施するオークションなど、申請の種類に応じた手続きが用いられる。
審査を通過し、レジストリ契約や委任前試験などを完了して初めて、「.gram」がDNSルートに追加される。ICANNは現段階で「.gram」固有の運用開始日を示しておらず、Telegramも提供時期を発表していない。
「.gram」構想の特徴は、Telegram上のユーザー名、Webホスティング、AIによるコンテンツ作成、DNS上のアドレスを一つのサービスとして結び付ける点にある。承認されれば、メッセージを送るような操作でWebサイトを作成し、既存のユーザー名をそのままWeb上のアドレスとして使える可能性が生まれる。
その一方で、アドレスの登録者、利用権、移管、更新、アカウント停止時の扱いはまだ明らかになっていない。DNS上はセカンドレベルドメインであっても、通常のドメイン登録サービスと同じ権利が提供されるとは限らない。「.gram」の実像は、ICANNが公開する申請内容と、Telegramが今後発表する登録規約によって明確になる。
■注目ポイントQ&A
●「ユーザー名.gram」はサブドメインですか?
DNSの階層では、「durov.gram」のようなアドレスはセカンドレベルドメインです。「blog.durov.gram」のように、その下へ追加した名前がサブドメインに当たります。
●取得した「.gram」ドメインを自分で所有できますか?
現時点では分かりません。Telegramは、利用者が正式な登録者になるのか、他社へ移管できるのか、アカウントから独立して維持できるのかを発表していません。
●Telegramによる申請は確認されていますか?
はい。パヴェル・ドゥーロフが2026年8月18日に申請を公表しました。ただし、ICANNによる事務確認や審査の通過、最終的な委任はまだ完了していません。
●「.gram」はいつ利用できるようになりますか?
提供開始日は発表されていません。申請内容の公開後も、審査、競合の解決、契約、技術試験などの手続きが必要です。
●AIサイトではGrokが使われますか?
使用するAIモデルは明らかにされていません。TelegramはxAIとの提携を発表していますが、「.gram」のサイト作成機能にGrokを採用するとの正式発表はありません。
●ブランドTLDとして運用されるのですか?
申請区分はまだ公開されていません。一般ユーザーを登録者にするのか、Telegram自身がドメインを管理して利用機能を提供するのかによって、適用される仕組みが変わります。
元記事: Telegram Reportedly Applied for .gram; Billion Users Would Get Telegram Subdomains, Not Domains
※この記事はTech Timesから提供を受けた記事を日本向けに翻訳・編集したものです。
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