マーベル『ワンダーマン』シーズン2が急遽キャンセルに 続投発表からわずか4ヶ月、脚本家チーム未結成のまま幕引き

2026年7月31日 22:24

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記事提供元:Tech Times

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マーベル・スタジオが、2026年3月にシーズン2への更新を発表していたDisney+ドラマシリーズ『ワンダーマン』の制作中止を決めたことが、VarietyやDeadlineなどの報道で明らかになった。高い批評家評価を獲得し、エミー賞にもノミネートされた話題作だったが、実際には脚本家チーム(ライターズルーム)すら結成されていない状態が続いていたという。初週以降の視聴データ急減や、プラットフォーム全体のライブラリ依存も背景にあるとみられる。

■発表と現実の乖離:脚本家チームすら結成されず

マーベルは、今年3月に発表した『ワンダーマン』シーズン2への更新決定を撤回し、同作の制作を中止した。Variety、Deadline、The Wrapが報じた。

監督のデスティン・ダニエル・クレットンは7月20日時点で年内の撮影開始に期待を示し、主演のヤヒヤ・アブドゥル=マティーン2世やベン・キングズレーの続投も公表されていた。しかしVarietyが取材した関係者によると、テレビ制作の最も基本的なステップである脚本家の雇用すら行われていなかったという。

MCUの実写ドラマでシーズン2が実現したのは『ロキ』と『デアデビル:ボーン・アゲイン』のみであり、『ワンダーマン』もその仲間入りを果たすとみられていた。しかし裏では、アタッチされていた脚本家陣もストーリーを作成することなく解散させられていた。公式な更新発表が実態を伴っていなかったという事態は、商業エンターテインメント業界における「演じられた虚構と真実」を描いた同作自体のテーマとも皮肉にも重なっている。

■視聴データが示す急速な失速

Disney+は公式な視聴数を公表していないが、NielsenおよびLuminateの調査データからその背景が見えてくる。

2026年1月27日に全8話が一挙配信された本作は、初週(1月26日〜2月1日)に6億1800万分の再生時間を記録し、Nielsenのストリーミングランキングで8位にランクインした。しかし1話あたり約7700万分という数値は、全話一挙配信の利点を考慮すると、過去のマーベル作品に比べて低調であった。

さらに深刻だったのは、配信2週目にはNielsenのトップ10から完全に姿を消し、二度と復帰しなかった点である。また初週視聴者の41%が35歳〜49歳層に偏っており、若年層へのバイラル効果が限定的であった。さらにLuminateのデータによると、2026年第1四半期のDisney+全体の視聴の約95%は過去のライブラリ作品であり、新作オリジナル作品の苦戦が浮き彫りとなっていた。

■高い批評家評価と不確実だった存続の背景

今回の打ち切りが衝撃を与えたのは、本作が加入者増以外のあらゆる指標で高い評価を得ていたからだ。Rotten Tomatoesでは批評家支持率91%、観客支持率87%を記録。ヤヒヤ・アブドゥル=マティーン2世はエミー賞コメディ部門主演男優賞にノミネートされ、実写マーベル作品としては5年ぶりの主要ノミネートを果たした。

しかし、ショーランナーのアンドリュー・ゲストによれば、本作は2023年の脚本家・俳優組合のストライキ期間中に企画一覧から外され、節税対策の損失処理として取り消されかけた過去があったという。テスト試写での困惑の声もあり、配信までこぎつけたこと自体が制作陣の粘り強い働きかけによるものだった。

■劇中に登場する「イオンエネルギー」と現実の科学

作中で主人公シモン・ウィリアムズを超人的存在に変貌させる「イオンエネルギー」は、実在のプラズマ物理学に近い概念として説明できる。現実のイオンは電荷を帯びた原子や分子を指すが、プラズマは物質の第4の形態であり、現代医学でも冷気プラズマが細胞膜改変や遺伝子発現に与える影響が研究されている。

脳の意識を炭素ベースの生体に依存しない情報パターンとみなす認知科学の仮説(基板独立意識)を前提とすれば、プラズマ場が記憶や人格を維持するというSF的設定も一定の理論的整合性を持つ。また第8話で見せた飛行能力は、NASAの探査機「ドーン」などが採用したイオンエンジン(イオン推進)と物理的原理を同じくするが、人間規模の物体を大気圏内で飛行させるにはメガワット級のエネルギースケールが必要となる。

■エピソード4「ドアマン条項」と量子力学

第4話「ドアマン」に登場するデマール・デイビスの「固形物を透過する能力」は、パウリの排他原理や量子トンネル効果に関連づけて考察される。量子トンネル効果自体はトランジスタや太陽の核融合で実在する現象だが、人間の身体を構成する約7×10²⁷個の原子が同時にトンネル効果を起こすことは理論上極めて困難だ。

さらに、身体を生きているワームホール(アインシュタイン=ローゼン橋)として機能させ他者を通過させる能力は、負のエネルギー密度を持つ「エキゾチック物質」を必要とする理論上の概念であり、現実の実験的基盤は存在しない。作中ではこの能力をきっかけに、超能力者がハリウッドで働くことを禁じる「ドアマン条項」という法的制約が設定された。

■シモン・ウィリアムズのMCUにおける今後

Varietyが伝える関係者の話によると、本作のキャンセルが直ちにシモン・ウィリアムズのMCUからの退場を意味するわけではない。2026年10月14日に配信開始予定の『VisionQuest』など、他のDisney+作品や劇場公開映画に登場する可能性がある。原作コミックにおいてワンダーマンはヴィジョンやスカーレット・ウィッチと深い関わりを持つ。

今月開催されたサンディエゴ・コミコン(SDCC)のホールH発表において、ケヴィン・ファイギ社長はエミー賞ノミネートに触れず、映画作品の話題に終始していた。これは結果的に今回のニュースの前兆となった。『ワンダーマン』の打ち切りにより、Disney+のMCU実写ドラマでシーズン2に達したのは『ロキ』と『デアデビル:ボーン・アゲイン』のみとなり、マーベルの配信戦略の変化を伺わせている。

■注目ポイントQ&A

●なぜ『ワンダーマン』はシーズン2更新発表後にキャンセルされたのですか?

Varietyなどの報道によると、今年3月の更新発表後も脚本家チームが結成されず、アタッチされていた脚本家も解散させられていたためです。公式な理由は明かされていませんが、初週以降の視聴データの急減や、Disney+全体でライブラリ視聴が95%を占めるという構造的要因が背景にあるとみられています。

●シーズン1は今後もDisney+で視聴できますか?

はい、シーズン1の全8話は引き続きDisney+で配信されます。今回のキャンセルは予定されていたシーズン2のみに影響し、既存のシーズン1は影響を受けません。

●ヤヒヤ・アブドゥル=マティーン2世演じるシモン・ウィリアムズは今後のMCU作品に登場しますか?

関係者によると、キャラクター自体がMCUから完全に消えるわけではなく、他の映画やドラマに登場する可能性が残されています。2026年10月配信予定の『VisionQuest』などが候補として挙げられていますが、現時点で正式な出演発表はありません。

●作中の「イオンエネルギー」は現実の物理学でどのような意味を持ちますか?

現実の物理学において「イオン」は電荷を帯びた原子や分子を指し、「イオンエネルギー」は物質の第4の形態であるプラズマ物理学に最も近い概念です。人間の意識や記憶をプラズマ状態で維持するという設定は、認知科学における「基板独立意識」の理論概念と組み合わされたSF的表現といえます。

元記事: Wonder Man Canceled: Marvel Dumps Renewed Hit After Writers Room Stalled

※この記事はTech Timesから提供を受けた記事を日本向けに翻訳・編集したものです。

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