「レンジローバースポーツEV」プロトタイプが初公開、9月発売の噂と「充電インフラ」の課題

2026年7月18日 14:33

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記事提供元:Tech Times

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ジャガー・ランドローバー(JLR)は、新型「レンジローバースポーツ エレクトリック(EV)」のプロトタイプを初公開した。非公式ながら2026年9月の発売が報じられているが、詳細なスペックは年内の正式発表まで未確定である。同車は先進的な800V電気アーキテクチャを採用するものの、その超急速充電性能を最大限に活かせるインフラは限られているという課題も指摘されている。

■グッドウッドでプロトタイプを初公開、9月発売の報道も

ジャガー・ランドローバー(JLR)は2026年7月16日、グッドウッド・フェスティバル・オブ・スピードのプライベートプレビューにて「レンジローバースポーツ エレクトリック」のプロトタイプを初公開した。同モデルはJLRにとって2車種目の電気自動車(EV)となる。海外メディアの報道によると、2026年9月の発売が期待されているが、JLRは公式にはこのスケジュールを認めておらず、詳細なスペックは年内に予定されている正式発表まで公開されない。

グッドウッド・モーターサーキットでのデモ走行を見たジャーナリストからは、EVパワートレインによって従来のガソリン車モデルよりもダイナミクスが向上しているとの好意的な評価が得られている。しかし、スペック上の目玉である超急速充電については、実際の充電スポットで多くのユーザーがその恩恵を受けられない可能性があるという課題も浮き彫りになっている。

JLRは7月9日にフルサイズの「レンジローバー エレクトリック」の市販仕様を公開したばかりであり、今回のスポーツEVのプレビューも、市販化に向けた確実な一歩であることを示している。デモ走行では、中国の「天門山」の999段の階段登りやアイスランドの放水路登りといった、歴代のレンジローバースポーツが挑んできた過酷なパフォーマンスの歴史へのオマージュが捧げられた。

■共有プラットフォームと予想スペック(未確定情報)

技術的な詳細の多くは、JLRの公式発表ではなく、サードパーティの自動車メディアによる報道に基づいている。スポーツEVは、フルサイズのレンジローバーEVとプラットフォーム、ツインモーター構成、バッテリーパックを共有するとみられており、海外メディアのZecarやAutocar Indiaなどは以下のような予想スペックをまとめている。

スポーツEVは、フルサイズモデルと同じ118.5 kWhの2段積み角形ニッケル・マンガン・コバルト(NMC)バッテリーパックを搭載し、最大350 kWのDC急速充電に対応する800V電気アーキテクチャを採用するとみられる。自社開発の永久磁石同期モーター2基を搭載し、システム出力は約404 kW(542馬力、Autocar Indiaは550馬力と報道)、最大トルク850 Nmを発揮する4輪駆動で、航続距離はWLTPサイクルで約530 km(約330マイル)と予想されている。ただし、これらの数値はJLRによる公式発表ではない。JLRは「フルサイズモデルと同じプラットフォームとパワートレインを使用する」こと、および「スポーツEVの正確な出力は未公表」であることのみを認めている。

バッテリーの2段積み構成は、レンジローバーの車高の高さを活かした設計によるものだ。これにより、最低地上高やオフロード性能を損なうことなく、床下に大容量バッテリーを搭載できた。車重はAutocar Indiaの報道によると約2,700 kgと推定され、フルサイズモデルよりわずかに軽い。

外観はガソリン車モデルに近く、フロントグリルが細くなり、空力性能を高めたホイールデザイン、ホイールハブキャップのEVバッジなどが特徴だ。内装は13.1インチのセンタータッチスクリーンや13.7インチのドライバーディスプレイなど、既存モデルを踏襲しつつEV専用画面が追加される。ステアリングホイールに回生ブレーキ用のパドルはなく、シフトレバーの「S」ポジションがワンペダルドライブの起動に割り当てられている。

■自社開発の800Vアーキテクチャ、その実用性と限界

800VシステムはJLRのEVプログラムの中核であり、自社開発で67件の特許を取得している。他社製システムを採用するより開発期間が約1年延びたものの、競合が容易に模倣できない独自のアーキテクチャを構築した。

800Vシステムは400Vシステムに比べて、同じ電力でも電流を半分に抑えられるため、ケーブルやセルの発熱を抑え、より高速な充電が可能になる。予想スペックに基づく最大350 kWのDC急速充電では、対応する超急速充電器を使用すれば約20分で10%から80%まで充電できるとされる。

しかし、最大の課題はインフラにある。2026年中頃の時点で、350 kWを出力できる超急速充電器は、英国、欧州連合(EU)、米国において公共充電インフラの極一部にすぎない。英国の高速道路サービスエリアで最も一般的な50 kWの急速充電器を使用する場合、充電時間は20分を大幅に超えることになる。JLRのシステムは、400V充電器との互換性を確保するため、バッテリーパックを2つの400Vバンクに分割して並列充電する機能を備えているが、この場合は800Vの速度メリットは失われる。

また、自宅や目的地での充電向けに22 kWのAC充電に対応するとみられ、車両の両側に充電ポートが配置される実用的な設計となっている。

■プラットフォーム戦略とJLRの現状

JLRの電動化戦略は2つのプラットフォームに分かれている。今回のレンジローバーEVに採用されている「MLA(Modular Longitudinal Architecture)」は、ガソリン、マイルドハイブリッド、プラグインハイブリッド(PHEV)、EVのすべてに対応する移行期のプラットフォームだ。生産ラインを維持できるためコスト効率が高いが、パワートレインの効率は約85%にとどまる。一方、EV専用に設計された新しい「EMA(Electrified Modular Architecture)」は、効率が約92%に達する。EMAは次世代の「レンジローバー ヴェラール」風クーペSUVや「ディフェンダー」ファミリーに採用される予定だ。なお、JLRはEMAを純粋なEVだけでなくフルハイブリッド(HEV)にも対応できるよう拡張しており、EV専業への移行を急がない柔軟な姿勢を示している。

スポーツEVの登場により、レンジローバースポーツはディーゼル、6気筒ガソリン、V8マイルドハイブリッド、PHEV、EVの5つのパワートレインを揃えることになる。フルサイズのレンジローバーEVは、2026年6月17日のインベスター・デー時点で7万8,000件以上の関心表明(うち1万6,000件以上が正式なウェイティングリストに移行)を集めている。JLRのPBバラジCFOは、スポーツEVを今後18ヶ月以内に投入予定の5車種のEVの1つと位置づけている。

しかし、JLRを取り巻く環境は厳しい。2027年度第1四半期の小売販売台数は前年同期比15.3%減少。さらに、2025年8月に発生したサイバー攻撃(英国経済に約19億ポンドの損失をもたらしたと推定される)による生産停止からの財務回復の途上にある。今回のEV投入計画は、同社にとって運用の回復力を測る重要な試金石となる。

■価格、時期、そして未確定のスペック

Autocar Indiaは、レンジローバースポーツEVが2026年9月に世界発売されると報じているが、JLRは公式には認めていない。納車開始は生産ペース次第で2027年初頭になるとみられる。価格についても非公式な情報にとどまる。英国での予想開始価格は約10万ポンド(フルサイズEVの予想価格15万ポンドより約5万ポンド安く、現行のPHEVモデルより約3万ポンド高い)。米国市場では、JLRの製品計画を追うアナリストらにより、10万ドル(約1,620万円、1ドル=162円換算)前後の開始価格が予想されている。

同車は大型高級電動SUVセグメントにおいて、ポルシェ「カイエン エレクトリック」やBMW「iX5」と競合することになる。牽引能力(トレーラーなどを引く力)も重要な未確定要素だ。フルサイズのレンジローバーEVでは、バッテリー搭載スペースの都合上、牽引能力がガソリン車の3.5トンから2.5トンに低下している。スポーツEVが同様の制限を受けるかは不明だ。

グッドウッドでプロトタイプに試乗したジャーナリストの評価では、乗り心地はガソリン車を上回る可能性があり、スムーズで軽快な走りが確認された。急加速時にわずかなトルクステアが感じられたものの、オフロードでのワンペダルドライブは非常に効果的だったという。EVならではのミリ秒単位のトルク応答が、滑りやすい路面での走破性を高めている。正式なスペックや確定価格、受注開始時期は、2026年後半に予定されている正式発表で明らかになる見込みだ。

■注目ポイントQ&A

●レンジローバースポーツ エレクトリックの発売時期はいつですか?

自動車メディアのAutocar Indiaは2026年9月の世界発売を報じていますが、ジャガー・ランドローバー(JLR)は公式発表しておらず、「詳細は今年後半に発表する」としています。生産状況によっては、最初の納車は2027年初頭になるとみられます。

●充電にはどのくらいの時間がかかりますか?また、充電場所によって速度は変わりますか?

予想スペックに基づくと、最大350 kWの超急速充電に対応し、対応充電器を使用すれば約20分で10%から80%まで充電可能です。ただし、350 kW対応の超急速充電器はまだ少数派であり、一般的な50 kWの急速充電器を使用する場合は大幅に時間がかかります。

●ポルシェ「カイエン エレクトリック」やBMW「iX5」と比べてどうですか?

正式なスペックが未公表のため正確な比較は困難ですが、英国での予想価格は約10万ポンドと、カイエンEVと同等とみられます。スポーツEVは自社開発の800Vシステムを強みとしていますが、BMW iX5(車重約2,500 kgと予想)に対し、スポーツEVは推定2,700 kgとやや重いと報じられています。

●牽引能力はどのくらいですか?

JLRからの公式発表はありません。フルサイズのレンジローバーEVでは、バッテリー搭載スペースの影響で牽引能力が従来の3.5トンから2.5トンに低下しており、スポーツEVでも同様の制限が生じるかどうかが注目されています。

元記事: Range Rover Sport Electric Previewed: September Launch, One Charging Caveat

※この記事はTech Timesから提供を受けた記事を日本向けに翻訳・編集したものです。

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