OpenAI、macOS版Codexに「Record & Replay」機能を追加――操作を見せるだけで自動化スキルを生成

2026年6月21日 07:24

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記事提供元:Tech Times

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OpenAIは、macOS向けのCodexアプリに、ユーザーの操作を実演するだけで自動化スキルを作成できる新機能「Record & Replay」を追加した。この機能は、ChatGPTの有料プラン契約者向けに提供されるが、欧州経済領域(EEA)や英国、スイスは現時点で対象外となっている。従来のRPAとは異なり、AIがユーザーの意図を理解して自然言語の指示書を作成するため、柔軟な自動化が可能になると期待されているが、複雑なワークフローにおける実行の信頼性には依然として課題が残されている。

■実演するだけで自動化スキルを生成する「Record & Replay」

OpenAIは、macOS向けCodexアプリ(バージョン26.616)に「Record & Replay」機能を追加した。ユーザーがタスクを実行する様子をCodexが監視し、その実演を自律的に実行可能な再利用可能なスキルへと変換する仕組みだ。この機能は、ChatGPT Plus(月額20ドル、約3,220円)、Pro(月額200ドル、約32,200円)、Business、Enterprise、Eduのサブスクリプション契約者が利用できる(ただし、欧州経済領域(EEA)、英国、スイスを除く)。※円換算は1ドル=161円で計算、為替レートにより変動する。

これは「実演によるプログラミング(programming by demonstration)」という、1980年代半ばから研究されてきた手法のAIネイティブな実装である。従来のシステムはルールベースのヒューリスティクスに依存していたため、実用的なワークフローへの応用が難しかったが、OpenAIは言語モデルを介して汎用化を行うことで、この課題を解決しようとしている。これが、従来のRPAベンダーが提供してきたマクロ記録ツールと「Record & Replay」を分ける重要な構造的違いである。

■「SKILL.md」ファイルによる意図の記録

ユーザーがCodexアプリのプラグインパネルから「Record a skill」を選択して録画を開始すると、Codexはアクションとウィンドウ内容の監視許可を求め、ユーザーの操作(サイトへの移動、入力、ファイルアップロードなど)を記録する。録画を停止すると、Codexは「SKILL.md」というファイルを生成する。

このファイルは、ピクセル座標やマウスクリックの記録ではなく、人間が読めてLLMが解釈可能な自然言語の指示書である。ワークフローの実行タイミング、受け入れる変数入力、手順、成功の検証方法などが記述される。ユーザーはこのファイルを直接編集して微調整でき、チーム内で共有することも可能である。再生時、Codexは「SKILL.md」をコンテキストとして読み込み、デスクトップ制御(Computer Use)、ブラウザ操作、各種プラグイン(Slack、Gmail、Notion、Salesforceなど)を組み合わせて実行する。

■従来のRPAマクロとの違い

UiPathやAutomation Anywhereなどの従来のRPAツールは、クリックするピクセル座標やUI要素のCSSクラスなどを記録するため、インターフェースが少しでも変更されると動作しなくなる。一方、Codexは「ユーザーの意図」を記録する。生成される「SKILL.md」は各ステップで達成しようとしている目的を記述するため、再生時に言語モデルが現在の画面状態に合わせて解釈し、高い適応力を発揮する。

これにより、GUI of 変更に対して脆弱であるという、実演によるプログラミングが長年抱えていた技術的課題が解決される。機械的な再生ログではなく、自然言語によるスキル記述を生成することで、Codexは汎用化の作業をルールベースのシステムから推論モデルへと移行させた。その結果、録画した当日しか通用しない固定されたクリックシーケンスではなく、新しい入力値を用いて、アプリケーションの新しいインスタンスに対してワークフローを実行できるようになる。

■AIエージェントが抱える信頼性の限界

ただし、このアプローチでも、コンピューター操作エージェント全般に共通する信頼性の課題は解消されない。スタンフォード大学の「2026 AI Index Report」によると、現実世界のコンピュータータスク評価ベンチマーク「OSWorld」におけるAIエージェントの平均成功率は66%にとどまっている(前年の12%からは大幅に向上しているが、監視なしの自動化において34%の失敗率は依然として高い)。

特に複数ステップのワークフローでは、エラーが累積する問題が深刻になる。インフラ企業Temporalの分析によると、各ステップの信頼性が85%であっても、10ステップのワークフロー全体での成功率は約20%に低下する。OpenAIのドキュメントでも、この機能は「手順が安定しており、成功基準が明確な場合」に最も効果的であると指摘されている。経費精算や定期的なデータエクスポートなど、定型的で限定されたタスクが適している。

■システム要件と地域制限

本機能の利用には、Codexアプリの設定で「Computer Use」を有効にする必要がある(個人アカウントの設定、またはエンタープライズ向けの requirements.toml 設定ファイルによる管理者制御)。現在はmacOSのみに対応している。

また、EEA、英国、スイスでは利用できない。Computer Use自体はこれらの地域でも6月16日に利用可能になったが、Record & Replayは対象外となっている。OpenAIはその理由を公表していないが、2026年8月2日に施行予定のEU AI法第50条の透明性義務への対応など、規制準拠の作業が影響している可能性が指摘されている。

■自動化の提供方法における変革

今回のリリースは、AI自動化の普及方法における大きな転換点となる。従来のプロンプトベースの自動化では、ユーザーがワークフローをテキストで正確に記述する必要があり、非技術者にとっては大きな障壁となっていた。Record & Replayは、ユーザーの「実演」からモデルがスキルを自動作成するため、手順を正確に説明できないユーザーでも自動化の恩恵を受けられるようになる。また、チーム共有機能により、1人が作成したスキルを組織全体で活用することが可能になる。

■注目ポイントQ&A

●Codexの「Record & Replay」とはどのような機能ですか?

OpenAIのmacOS版Codexアプリに搭載された機能で、ユーザーが一度行った操作をAIが監視し、それを再利用可能な自動化スキルに変換する機能です。録画停止後、AIが「SKILL.md」という自然言語の指示書を作成し、次回以降はその指示書に基づいて自動実行します。

●従来のRPAツールとは何が違うのですか?

従来のRPAはクリックする座標などを記録するため、画面デザインが少しでも変わると動作しなくなります。一方、Codexは「ユーザーの意図」を自然言語で記録するため、画面の変化に対しても柔軟に適応して実行できます。

●なぜヨーロッパでは利用できないのですか?

現時点で、欧州経済領域(EEA)、英国、スイスは提供対象外となっています。OpenAIは公式な理由を明らかにしていませんが、2026年8月に施行予定のEU AI法などの規制への対応が影響している可能性が指摘されています。

●どのようなワークフローに適していますか?

手順が固定されており、成功基準が明確なタスクに適しています。例えば、経費精算の申請、定期的なデータのエクスポート、決まったプラットフォームへの動画投稿などが挙げられます。レイアウトが頻繁に変わるタスクや、複雑な判断が必要なタスクにはまだ適していません。

元記事: OpenAI Codex Automation Gains Record and Replay: Show It Once, Skip the Script

※この記事はTech Timesから提供を受けた記事を日本向けに翻訳・編集したものです。

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