IEA、過去最大の石油備蓄放出を決定 原油株・債券市場に動揺広がる

2026年3月14日 10:12

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 国際エネルギー機関(IEA)は11日、ホルムズ海峡の事実上の封鎖に伴う原油価格の高騰を受け、加盟32カ国が過去最大規模となる石油備蓄の協調放出に、全会一致で合意したと発表した。

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■リスクを踏まえてでも放出やむなし

 ロシアによるウクライナ侵攻後の2022年以来となる今回の措置は、当時の2倍超の規模に及び、IEAが異例の危機対応に踏み切った形だ。それほどまでに現在の原油市場の混乱が深刻であることを、国際社会が認めた格好となっている。

 備蓄放出の発表直後、原油先物価格は一時下落し、これに連動して石油関連株も売りに押される場面があった。エネルギー関連企業は原油高を収益の追い風としてきただけに、価格が抑制されるとの観測が一時的に利益縮小懸念につながったためだ。

 しかし状況は想像以上に深刻だ。封鎖状態が続くホルムズ海峡では船舶への攻撃が相次いでおり、供給途絶への懸念が再び強まったことで原油は上昇に転じた。

■インフレ長期化で株・債券の双方が重荷に

 原油高が続くとなれば、市場全体への影響はより広範に及ぶ。エネルギーコストの上昇は企業の収益を圧迫し、株式市場全体の重荷となる。

 さらに物価上昇が長引けば、各国中央銀行が利下げに踏み切りにくくなるため、債券価格の下押し圧力にもつながる。株と債券がそろって売られる局面は、投資家にとって逃げ場の少ない難しい相場環境を意味する。

 実際に市場はすでにその兆候を示している。ニューヨーク株式市場ではダウが大幅続落し、13日の円相場も一時1ドル=159円台まで下落した。

 イラン新指導者が徹底抗戦を宣言し、停戦の見通しが立たない中、備蓄放出という政策対応だけでは市場の不安を抑えきれないシビアな状況が続いている。(記事:庭田 學・記事一覧を見る

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