民間初の気象予報が祖業:いであの堅実な収益ぶりを確認した

2024年3月29日 09:05

印刷

 いであ(東証スタンダード)。2006年に国土環境(環境部門コンサルトップ)と日本建設コンサルタントが合併。大手総合建設コンサルタントの大手企業。いであという社名に「変わっているな」と思い、その歴史を調べたのが興味を持った入り口だった。

【こちらも】ERPで時代を映す、好収益:ビジネスエンジニアリングに中長期投資の魅力を覚えるが!?

 創業は1968年9月。民間初の気象予報会社として設立された。気象も環境の一分野だが、懐かしい「ヤン坊マン坊の天気予報」の解説をしていたと知り妙に興味を覚えた。以降「水質分析業」「測量業」と業務を広げ、1977年に建設コンサルタント業者として登録。沿革を知ることは、当該企業への好奇心をそそる。

 久方ぶりに今回、いであを覗こうと思ったのは前2023年12月期の決算だった。21年12月期「3.0%増収、17.5%営業増益」、22年12月期も「11.7%増収、23.8%営業増益」。が前期は「1.5%減収、11.5%営業減益」。「?」と思い、その理由を決算関連書類からチェックした。

 結果は「前の期の大規模な海洋環境調査やインフラ施設関連業務の受注減、伴う売上減。売上減に加えDX推進負担による営業減益」。

 公共関連のウエイトが高い収益構造の影響、経営改善策がその要因と知り納得。今期予想「3.5%増収(235億円)、11.1%営業増益(31億円)、史上最高益更新(21億円)」の推移を見守りたい。ただ21年12月期以降、今期予想まで4期連続増配を続けており堅調な展開と捉えてよいとみる・・・。

 至25年12月期の中計も、「売上240億円(22年12月期230億円)、営業利益率10%以上」と堅調な推移を掲げている。

 斯界に通じたアナリストの言を借りれば、「建設・環境関連で55名を超える総合技術監理を抱え、技術士は370名超を有しているのは強い。能登半島地震の復興計画の具体化が進めば、国交省など関連団体からの受注も進み注目される企業・銘柄として浮上しよう」。またここにきての「海外部門積極化姿勢」や「ダム管理システムでAI活用」と伝えられている点も、今後を占う意味で興味深い。

 本稿作成中の時価は2300円水準、2月高値2397円のゾーン内。予想税引き後配当利回り3.1%強。押し目買いで好配当利回りを享受、が肝要と捉えるが・・・ここにきての株価上昇トレンドは、時価の予想PBR0.62倍を見据えた買いとみることもでき迷うところでもある・・・(記事:千葉明・記事一覧を見る

関連キーワード

関連記事